That's Arena!

ハースストーンの闘技場・バトルグラウンドを勝ち抜く戦略

【雑記】ワタリガラス年を振り返る

Hearthstoneの世界では、いよいよ「ワタリガラス年」が終わりを迎えようとしています。

この1年の闘技場環境、そして自身を振り返りました。読んでプレイが上手くなるような記事ではありませんが、よろしければお付き合いください。

 (追記:Twitterでは「マンモス年」と書いてしまいましたが、正しくは「ワタリガラス年」でした。)

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闘技場環境を振り返る


Blizzard,コミュニティの取り組みについて、この1年を振り返りました。闘技場コミュニティにおいて、この1年は良い変化にあふれていたと感じています。

バケット

昨年の3月中旬にあったことで、正確にはワタリガラス年が始まるより少し前のことですが、ここで振り返っておきます。
バケット制」の導入により、ドラフト時の3択に「近い強さのカード」が出てくるようになりました。

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私自身はこの「バケット制」をとても気に入っています。この制度のおかげで個性のあるデッキを組みやすくなったためです。
というのも、以前であれば3択の中でのカードパワーにばらつきがあり、多少のシナジーを無視してでも、強いカードを優先せざるを得ない場面がよくありました。そのため、以前は強いカードの寄せ集め(「グッドスタッフ」的)デッキになりやすかったと思っています。

バケット制導入以降、3択のカードパワーが近づくことで、「シナジーがある」ということがカードの選択理由になることが増えました。結果バケット制以降「横並べ型ドルイド」「ドラゴンプリースト」のようなシナジーを生かした個性のあるデッキ構築ができ、周回ごとに違う方向性のデッキを楽しめるようになりました。
カードパワーに応じた適切なバケットの設定など課題はありますが、ぜひ今後も継続していってほしいシステムです。

 

イベント

昨年6月には「時をかける酒場の闘技場」、10月には「デュアルクラス闘技場」が開催されました。闘技場プレイヤーにとっても、普段闘技場を遊ばないプレイヤーにとっても非常に楽しいイベントでした。
 
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また、非公式でも企業やユーザー主催の闘技場イベントが多数催されました。
Twitchでは5000Gを稼ぐ早さを争う"Twitch Rivals Gold Rush"や、有名配信者のタッグ大会などが開かれ、大いに盛り上がりました。
また、日本でも闘技場ランカーであり配信者のサラダチキンさんが、毎月素敵なイベントを企画されています。つい昨日(4/7)も「HSアリーナ12勝デッキトーナメント」という、選りすぐりの12勝デッキを持ち寄って戦う楽しげなイベントが開催され、私も参加してきました。

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かなり強いデッキを持ち込んだつもりでしたが、2回戦で優勝者のくるとさんにボコボコにされてしまいました。アジア有数のプレイヤーたちと、めちゃくちゃ強いデッキでぶつかり合えたのは非常に楽しかったです。同様の機会があれば、次も積極的に出たいと思いました。

 

R.I.P. ≪精神支配技士≫

12月20日、1つのアップデートが、闘技場プレイヤーを驚かせました。
この日導入されたパッチにより、闘技場ドラフトにおいて≪精神支配技士≫が出現しなくなりました。

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勝ち濃厚の試合を、彼によってひっくり返された経験は誰しもあるでしょう。採用率が極端に高いわけではないため、ケア行動も合理的とはいえず「食らったらしゃーない」と諦めながらのプレイを強いられていました。このため、闘技場プレイヤーにとっては不満の種であり、この調整は国内、海外ともに大いに歓迎されました。
公式サイトのコメントは以下の通りです。

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闘技場アップデート – 2018年12月20日 - ハースストーン  より抜粋


私自身この変更を聞いて大いに喜びました。一方で、このような変更を少し意外に感じました。
というのも、≪精神支配技士≫のもたらす理不尽は、Blizzardの開発チームが意図してゲームに盛り込んだ、ある種の「必要悪」ではないかと想像していたからです。理不尽な要素はプレイヤーからは嫌われますが、一方でゲームに不思議な魅力を与え、プレイヤーをより夢中にさせることもあるのではないでしょうか。
他のゲームで、似たようにプレイヤーにヘイトを与える要素として、マリオカートの「トゲゾーこうら」があります。

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このアイテムの特徴は以下の通りです。*1

  • レース中盤以降、下位のプレイヤーに与えられる
  • 1位のプレイヤーを転倒させる。回避手段はほとんどない

少し考えてみると、このアイテムの存在意義は無いように見えます。使う側の下位プレイヤーは1位を攻撃したところで、追い抜けないほどの差がついていることが多く、順位を上げるのには役立ちません。一方1位のプレイヤーからしたら、回避手段のない攻撃が突然飛んでくるのですから、理不尽でしかありません。
(競技レベルのプレイヤー間ではこのアイテムの存在を意識し、あえて1位を譲る高度な駆け引きがあるようですが、それ以外の多数にとっては単なる理不尽要素でしかないように見えます)

 

恐らく削除を望むユーザーからの声もあったのでしょう。Eurogamerのインタビューにて、この理不尽なアイテムの存在意義に関する質問に、「マリオカート」シリーズのディレクターを務める矢吹光佑氏はこう答えています。

 

「プレイヤーの感情という要素は、個人的に非常に重視している。」
トゲゾーこうらの削除は試したことがあるし、常に試している。それを行ったとき、何かが足りないような気がした。だから、今のところ残している。」
「人生は時々不平等なものである。理不尽だったり、いらだつようなことにときどき出会うものだ。」


(私の抄訳です、原文は以下。)

Love it or hate it, it sounds like Mario Kart's Blue Shell is here to stay • Eurogamer.net

 
考えさせられる言葉です。トゲゾーこうらという理不尽なアイテムが、むしろプレイヤーを引き付けるようなこともあるのかもしれないな、と思いました。
Hearthstoneの話に戻ると、≪精神支配技士≫もトゲゾーこうら同様、理不尽ではあるものの、ゲームを面白くする「必要悪」であった可能性があり、だからこそBlizzardの下した決断には驚きました。この変更がゲームを面白くしたか、大切な「何か」を欠落させてしまったかはよくわかりません。ランキングを目指す者としては喜んだ一方で、少しばかり驚きを感じた調整でした。


もちろん、Blizzardの決断を批判するつもりはなく、むしろ以前より削除を求めていたコミュニティの声を尊重したところもあるでしょうから、この変更を支持しています。
この≪精神支配技士≫の件に限らず、バケットの公開、クラス間バランスの調整など、Blizzardは近年闘技場コミュニティの声に真摯に向き合ってくれているように思います。闘技場プレイヤーとしては非常にありがたいことであり、ドラゴン年以降の施策も楽しみにしています*2

自身にとってのワタリガラス

ここからは完全に私事になります。よろしければお付き合いください。

アジア1位の達成

2019年1月、アジアサーバー闘技場ランキング1位を達成しました。

多くのお祝いの声を頂き嬉しい限りです。前々から1位になりたいと思っていたものの、力及ばず0.2-3勝分の差に泣くことも何度かあり、まさしく念願の1位でした。

勝因ははっきりとしませんが、この数か月を通じた上達として ①ヒーローごとの戦い方の理解が進み、それに沿ったドラフト、プレイングができたこと ②マリガンの見直し ③良いコンディションの維持(心身共に)あたりが功を奏したのでしょうか。

②に関しては以前記事にまとめました。気になる人はお目通しください。

 ③に関しては、主にメンタル面で以前よりよいコントロールができるようになった気がしています。要点を示すと「結果ではなく、良いプレイにこだわること」「分散を受け入れること(トッププレイヤーですら4回に1回は負けている)」を意識し、自分に言い聞かせることが大事だと思っています。

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これだけ運の要素が強いゲームで毎回勝つのは無理で、出来ることは運の分散に翻弄されないことである、と思えるようになったのは成長だと思っています。

 

別のゲーム

主に不調の時に、他のDCGのリミテッド(MTG ArenaとShadowVerse)をやってました。それぞれHearthstoneとは別の面白みがあり、掛け持ちしたいところです。
MTGAの話は以前もしましたので、先月始めたShadowVerseの話を。ラブライブコラボ*に釣られる、というオタク丸出しのきっかけで2pick(リミテッド戦)を始めましたが、面白いですね。ゲームシステムはHearthstoneと似ていますが、特有のシステムの「進化」の存在、ヒーローライフ20、その他固有のシステムによりまた違ったゲーム性となっています。

リーダー(HSでいうクラス)の中では「ネメシス」がお気に入りです。デッキ枚数の偶奇のコントロール、ドラフトでのシナジーの考慮が求められるテクニカルなクラスでして、使いこなせると独特の楽しさがあります。


最近はカード、システムにも慣れ、たまに5連勝もできるようになってきました。なにやらレーティングマッチがあるようで、まだまだ強者には及ばない腕前だとは思いますが挑戦してみたいです。 f:id:sato9kado:20190408233027j:image

Hearthstoneの闘技場と違う点として、1回の挑戦で必ず5回試合し、勝数に応じた報酬がもらえます。4勝しても入場料は帰ってこないので、まだまだ無限2pickは難しそうです。

Hearthstoneの上達を目指す上で、別のゲームから得られるヒントはきっとあると思っています。かつてどっぷりやっていたポーカーからは、リスクの取り方や、理不尽への耐性を学びました。MTGやShadowverseをやりこむと、また違った見え方があるかもしれません。

 

*ちなみに、ラブライブを観た月の成績は例外なく上振れているので、皆さんにもおすすめします。(布教)

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何らかの供給があった月はまわりの期間よりひときわ成績が良かったです。2期のころは偶然と思っていましたが、今年1月の劇場版に合わせて1位を取ったので大変驚いています。闘技場同様、語り出すと止まらないので多くは語りませんが、戦績抜きでお勧めできる素敵な作品なのでぜひご覧ください。

一方、昨年1月にポプテピピックを見たとたん成績が暴落したので、トッププレイヤーの人はこちらを観てください。

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今後の楽しみ方

先程書いたアジア1位の達成は、大変嬉しかった一方で、今後このゲームとどのように付き合おうか、と考えるきっかけにもなりました。
人間の欲望には際限がないもので、以前と同じ体験を与えられても喜びの量は下がると思っています。実際、これまでランキングに載った際に以前より下の順位だとどこか満足いかない気持ちが残り、より上位に載りたいと思い続けてきました。


1位を取った数日後、「ランキングとはまた別の楽しみ方も探しに行かなければ、これまで以上の楽しさは得られないんじゃないか」という考えが頭をよぎりました。新しい楽しみ方として、新戦術の発見、情報発信の強化などいろいろ考えることはありますが、ランキングを最終目標とするのではなく、何か別の目標を設定してこのゲームを楽しみ続けたいものです。
一方で、勝ちたいという気持ちもまだまだ残っています。生半可なやり方だと1位はおろかトップ10もおぼつかなくなりそうなので、気を引き締めてしっかり勝ちに行きたいと思います。

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だめです、上位は1位を目指す人の集まりだと思っています


嬉しいことに、昨年は競技以外の活躍の機会がありました。

5月に始めたブログには思った以上の反響がありました(RT,Favなど頂いた方、ありがとうございました!) また、外部サイトへの寄稿、公式配信での新カード解説の機会もいただきました。
現在の闘技場モードはただのおまけモードと片付けるにしては惜しいほど洗練されており、多くの人に遊んでほしい、その中で競技的に取り組む仲間を増やしたいと常々思っております。闘技場の楽しさを伝える、あるいは挑戦したいプレイヤーの手助けをする活動は今後も続けてみたいと思っています。

そういう意味で、今後関心があることを列挙しておきます。(実現可能性はさておき適当に書いています、過度な期待はしないでください)

  • 記事の拡充(プレイング、入門者記事)
  • 配信(普通にプレイ、解説、年始の格付けチェック企画など)
  • 闘技場炉端(人集まるのか?)
  • 海外コミュニティとの情報交換(Reddit:今はROMなので)

一緒にやれること、あるいは面白そうな企画のお誘いがあれば、ぜひお声掛けください。

 

5000字少々、長くなりました。ここまでお付き合いいただいた方はありがとうございます。

ドラゴン年ではもう少し簡潔な記事を書けるよう頑張りたいです。それでは!

*1:私の知識はマリオカートDSで止まっているので、最近の作品では変わっているかもしれません

*2:なんかBlizzard万歳みたいな文章になってしまいましたが、無駄によいしょしているつもりはなく、単純に近年の取り組みに満足しているのです