バトルグラウンドに追加されたクエスト報酬の「秘められた犯人」はかなり強力なものであり、このクエストを選択したい場面は多い。
ただしグレード7といえども強さには大きな差があり、ぜひピックしたいミニオンからそうでもないミニオンまでいる。それら9体をランク分けした上で、それぞれの使い方についてじっくりと解説する。
そもそも、グレード7とは?
少し前(2023年秋)のバトグラにおける「異常環境」で出現したミニオンたちだ。グレード6までの通常ミニオンとは一線を画す特異的で強力な効果を持つものが揃っている。
通常のヒーローでは入手する手段はなく、「嵐の王トーリム」のヒーローパワー固有のミニオンであったが、この度追加されたクエスト報酬の「秘められた犯人」の効果でも入手できるようになった。
この記事ではそれぞれの強さ、使い方について解説する。特に異常環境をあまり遊んだことのない方にとって何かしらの参考になればうれしい。
独断と偏見のTierリスト
- 「潮の託宣師モルグル」
- 「海の魔女ザージラ」「モイラ・ブロンズビアード」「ヴァリアン王」
- 「鮮赤の勇者」「サンダース船長」「サルゲラスの戦士」
- 「繰り返される悪夢」「オブシディアンの荒らし屋」
- ここにいない4体(出現しないと思われる)
それぞれの強みと使い方を解説していく。
TierS(クエストが重くても取りたい)
「潮の託宣師モルグル」
安定性 ★★★★★ 爆発力 ★★★★★(それぞれ5点満点)
現環境最強のグレード7。それも他の追随を許さないレベルで強く、これが報酬の「秘められた犯人」はよほど重いか隣が極端に優秀でない限り取りたい。
当たり方に依存こそするが、中盤は毎ターン数10程度、終盤には100以上の強化をすることも珍しくない。しかも「猛毒」により取った瞬間から戦闘力を発揮するのもえらい。
※「猛毒」とは「毒袋」の消えないバージョンです。
できればモルグルは手札に抱えて「ベースギル」や「ダイアマックのエサ係」から出すのがお勧め。これ自身を強化できれば殴れる回数が増え、何回も強化能力を発動できるからである。
ここまででもそこそこ強いグレード7であるが、新たに増えた呪文との相性が抜群に良いのが大きな加点要素だ。
「クローン巻貝」とのコンボにより、貴重なグレード7ミニオンをいとも簡単にコピーできてしまう。しかも乗った強化値も含めて複製するのが最高にずるく、このコンボのおかげで異様なパワーを発揮するグレード7になっている。たとえクエスト条件が重くても取りたい。
仮に「モルグル」を場に出していたとしても「流れ技」で戻すことで巻貝のコピー対象にできる。そこそこのコストと探すための時間はかかるが、グレード7ミニオンの複製にはそれに見合うだけのパワーがあるためぜひ狙いたい。
相性の良い構成
当然マーロック構成では強い。
ただし、これを取ったからと言って必ずしもマーロック構成に向かう必要はない。これを出すための「ベースギル」と、終盤大きくなったスタッツを活用するための「マロさんコーラス」を他の構成に出張させることもありだ。
そのため、例えば「エレメンタルとアンデッドを合計7体使用する」みたいなクエスト条件でも問題なくピック出来るだろう。いつ弱体化や出禁を食らってもおかしくないグレード7ミニオンなので、積極的にピックしてそのパワーを味わってほしい。
TierA(クエストが普通くらい〔10g達成くらい〕なら取りたい)
「海の魔女ザージラ」
安定性 ★★★☆☆ 爆発力 ★★★★★(それぞれ5点満点)
酒場のミニオンを毎ターンコピーできる能力を持つ。これが1体いるだけで構成の完成度が上がりやすくなる優秀なグレード7。
また、コピーは強化を含めてなされる。育てたミニオンを「流れ技」で戻してコピーしたり、「血の宝石」を山ほど入れたりしてコピーすると強い。また、「ゴールデン・タッチ」などによるゴールデンミニオンもそのままコピーされる。
なお酒場の「ゼスティ・シェイカー」に呪文を使うと、呪文が戻ってきてさらに「シェイカー」が手札に入るため完全に使い得である。
このように強みだけ書くとすごいミニオンに見えるが、盤面を強くするのにタイムラグがあり、酒場に強いミニオンが出てこないとペアだけ作って下位落ちすることもあったりするのでA評価とした。
相性の良い構成
ナーガ以外にもなんでも組める。
多少「ゼスティ・シェイカー」が増えようと、「ディープ・ブルース」の構成は弱いのでこだわる必要はない。キルボアは酒場のミニオンに入れた「血の宝石」をコピーする、メカは「流れ技で戻した超電磁をコピーして別の超電磁に入れる動きを繰り返してボクサーを急速に大きくする(早口)」動きがあるが、それぞれ元が現環境で強い構成とは言えないので都合がよくなければ狙わなくてよいだろう。
いずれにしろ「流れ技」で戻したミニオンをコピーする動きが強いので、グレード5に上げるのがお勧めだ。回り出すと時間が足りなくなるため、早め早めの行動を心掛けるのがよい。
「モイラ・ブロンズビアード」
安定性 ★★★★☆ 爆発力 ★★★★☆
雄叫びと断末魔の両方を2回にするスーパーミニオン。現環境の構成は少なくともどちらかの効果を活用するものであり、行く先が分からなくてもとりあえず持っておけば活躍するミニオンである。
相性の良い構成
「ライラクのメタルヘッズ」との相性が抜群に良い。断末魔で起動する雄叫びが2回、さらにその断末魔が2回発動するので計4回雄叫びを使うことができる。
「ライラク」に蘇りが付けば8回発動である。ここまでくると、両側とも例えば「原始フィン」などを置いても手札制限のために2体目があまり仕事をしないので、場合によっては片側に「バガァグル」などを置いてライフを守りに行こう。
なお、マーロック構成は雄叫びと断末魔の両方を生かしやすく、そういう意味でも「モイラ」と相性が良い。
ただし、毎試合マーロックを組めるとは限らない。ここでは雄叫びと断末魔2倍の両方が生きる例を紹介したが、無理に両方の効果を使おうとする必要はない。「雄叫び」を生かしたドラゴンやエレメンタルに行くこともざらにあるので、柔軟に考えながらプレイするのが良い。
「ヴァリアン王」
安定性 ★★★★☆ 爆発力 ★★★★☆
グレード7としての特別感はないが、グレード6を2体他の人より早めのタイミング(9gあたり)で、しかも今の盤面に即したものを発見できるのは堅実に強い。
ちなみにゴールデンは「4体発見」になる。「レノ・ジャクソン」のヒーローパワーがあれば使ってみるのもよい。
相性の良い構成
もちろんなんでも組める。出てきたグレ6と相談しよう。
TierB(クエストが軽め〔9g達成くらい〕か、他が強くなければ取りたい)
ここからは、A評価には少し劣るが依然として取る価値のあるミニオンを紹介する。この報酬自体がやや軽めなので、これらのミニオンを取る機会も少なからずあるだろう。
「サンダース船長」
安定性 ★★☆☆☆ 爆発力 ★★★★★
単体では「レノ・ジャクソン」のヒーローパワーと同じ能力。しかしこのカードの真価は雄叫びの使いまわしにある。
この辺りのミニオン、呪文と組み合わせればゴールデンミニオンを量産できる。特に、「ブラン・ブロンズビアード」がいれば前者2つの効果は複数のミニオンにかかり、みるみるうちにゴールデンの戦団を編成できる。
そのため、1度雄叫びを使った後も極力売らずに盤面に残しておくのがおすすめだ。卓にテスやスキャブスがいたとしてもあっさり手放さないようにしたい。相手1人に盗まれないことよりも、残りの6人に対する勝ち筋を捨てないことの方がずっと重要だと考える。
相性の良い構成
もちろんなんでもよく、海賊構成を組む必要はない。ただし、上述の理由から「ブラン」を強く使えるマーロック、ドラゴン、エレメンタル、海賊がおすすめ。いずれも時間が足りなくなるくらいのリソース供給が実現するだろう。「ブラン」がいれば、「ロデオ名人」から「流れ技」や「夢追い人の抱擁」を発見できるチャンスも高まる。
このカードの真価は定めづらく、評価はAとBの間で悩んだ。爆発力は著しい一方で単体ではそこそこの強さであり、使いまわしメカニズムとゴールデンにしたいミニオンの両方を引けないとあっさり下位落ちしそうなため、若干評価を下げた。
「鮮赤の勇者」
安定性 ★★★☆☆ 爆発力 ★★★★☆
キルボア構成にとって非常に強力なミニオン。
弱そうに見えるかもしれないが、後々に使う血の宝石がすべて+1され続けていくのは見た目以上の効果をもたらす。
単体でも強いが、可能ならライラクやタイタスで何度も発動させたい。当然2つを併用しても強い。
これが報酬の場合、クエスト達成に全力を注ぐのが良い。キルボア構成が生涯で150程度の宝石を使うと仮定すると、1ターンの差は最終的な能力値150に相当する。入手の早さが最終的な強さを大きく左右するため、ほかのグレード7と比較しても特に早く入手したい。
これが報酬になる「秘められた犯人」を取れるのは、達成10コイン目あたりが分かれ目であろう。実際には8,9コイン目に達成できることも珍しくなく、そのような時は非常に強い。
相性の良い構成
これが報酬のクエストを取った場合、キルボア構成に決め打ち気味に進むのが良い。
言い換えれば他の構成への道が半ば絶たれるということでもあり、キルボアのパーツ、特に宝石を供給するミニオンが引けなくて負けることはありうる。これが「安定性」を3点評価にした理由である。バトグラにおいて、6gのクエスト選択時点で構成を決め打ち気味にすることは相応のリスクを伴う。
(特に今はマーロック構成が頭一つ抜けて強いため、それ以外の構成に縛られるのは若干重いデメリットとなる。)
とはいえ、そのリスクに見合うだけのパワーを持つミニオンであるため、特に軽い条件で出てきたらピックの価値がある。
「サルゲラスの戦士」
安定性 ★★★★☆ 爆発力 ★★★☆☆
取った時点で酒場のミニオンが10も強化される。買うミニオンを強化できるのでとりあえずライフを守りつつ、最終的には酒場を食べるタイプの悪魔を育てていくのが主な使い方だろう。
新呪文の「穢れたカップケーキ」との相性は非常によく、わずか3コストで50+α(おおよそ10~15程度)の強化ができる。
一応、大きくなった超電磁を別のメカに入れていく動きもありうるが、このクエスト環境では十分な成長速度ではない。
相性の良い構成
上述の通り、酒場を食べる悪魔。
最終的に悪魔を「サザーラ」で復活させることを考えると、「フェルバット」で均等に育てていくよりも「フェルドレイク」1点に集中させる型が強い。「フェルドレイク」を「マークアイ」などで使いまわすタイプの構成がおすすめ。
高グレードが多いが、「サルゲラスの戦士」入手直後の盤面が強いためグレード上げの隙を作るのは難しくないはず。
ただし、このミニオンも6gのクエスト選択時点で決め打ち気味の動きを強いられるところがあり、やや評価を低くした。
TierC(他が弱ければ仕方なく取る)
ここで紹介する2体はあまり強くないミニオンである。他のクエストが弱くない限りは取らないでいいだろう。
「繰り返される悪夢」
安定性 ★★☆☆☆ 爆発力 ★★★☆☆
このミニオンを使うなら、アンデッド構成一択であろう。
「タイタス」がいると、「悪夢」が2体のミニオンに入って、それぞれの断末魔で2体ずつ「悪夢」が召喚されて…という形で増えていくことになり、このコンボを狙うのが使い方だろう。「大リッチ・ケルスザード」で毎ターン破壊するのも悪くない。
ただし、いくら召喚してもパワーが低くては意味がないので「プライマスの戦士」などアタックを上げるシステムは用意しておきたい。
ここまで書くと強そうにも見えるのだが、実際には当たり方によっては盤面が埋まってあまり召喚されないこと、それからうまくパワー強化しないと結局はほかの構成に押し切られてしまうことが理由であまり強くない。
クエスト環境の終盤では「500/500」程度のミニオンが相手にいることも珍しくなく、それらと張り合えるだけのパワーを出すのは難しいと思われる。率直に言って強いミニオンではないかもしれない。
ただし、このミニオンの挙動は唯一無二だ。大変気味が悪くて楽しいので、1回は遊んでおくとよいかもしれない。
「オブシディアンの荒らし屋」
安定性 ★★☆☆☆ 爆発力 ★★★☆☆
書いてあることはめちゃくちゃ強い。使用感は「ワープウイング」に似ていて、サイズを大きくして聖なる盾をつければ1体で盤面を制圧できるパワーがある。
論点は「どうやってこれを強化すべきか?」である。ほかのグレード7と違い、このミニオンには戦団を強化する能力がない。クエストによる補助なしで、他のプレイヤーのクエストで強化された盤面に張り合う必要があり、この点が低評価の理由となっている。
相性の良い構成
「ブラン」・「カレクゴス」を使ったドラゴン構成が第一の候補だが、それにとらわれる必要はない。
このミニオンを徹底的に強化できれば良いので、キルボア構成や「ロックンロック」を使ったエレメンタル構成なども候補になりうる。
TierF(おそらく出てこない、出てきても取らない)
この4体はおそらく「秘められた犯人」の報酬としては出現しない。仮に出てきたとしてもあまり強くなく、他のクエストを取ることが推奨される。
最後に
TierSの「モルグル」は頭一つ抜けて強いが、TierA/Bの6体も平均的なクエスト報酬より強めのパワーを持っており、現実的な条件であればピックの価値があるだろう。
また、何回書いたかわからないくらいに「流れ技」の話をした。グレード7実装当時は存在しなかったカードで、これと一部のグレード7を組み合わせるととても楽しいことができる。
2023年秋の異常環境を遊んだ人も、そうでない人にも役に立つ記事をめざして説明したら思いの外長くなってしまった。ぜひ実践いただいて勝ちの助けになればうれしい。