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ハースストーンの闘技場・バトルグラウンドを勝ち抜く戦略

(①ローグ編)ドラフト優先順位

ドラフト方式の変化

2018年3月以降、闘技場のデッキ構築では「同程度の強さのカード3枚」が並ぶようになりました。この変化により、どのカードを取ればよいか判断に困る場面が多く見られるようになりました。

この記事では、ドラフト判断の助けとなるように、各クラスの主要カードについて、どのような優先順位で取ればよいかを理由とともに考察します。*1

 

前提

  • ドラフト序盤を想定しています。ドラフト中盤以降は、他のカードとのシナジーやデッキバランスにより、取るべきカードが変わることにご注意ください。
  • 2018年5月時点の優先順位です。2018年8月の新拡張リリース以降は、この順位が変動している可能性があります。

海外のReddit掲示板の投稿によると、全カードは強さに応じて7段階(強い順にLevel6~Level0)にグループ分けされ、ピック画面には同じグループのカード3枚が並ぶようです。どのグループにどのカードが属しているかは、Tarrot469氏というプレイヤーが独自に調査、公開している情報をご覧ください(英語)*2

 

 

この記事シリーズでは、7つのグループのうち上位2段階(Level6,Level5)のカードの優先順位を考察するとともに、残りのLevelで顕著に強い(≒取るべき)カードをピックアップしていきます。

この記事ではローグの優先順位を示します。パラディンメイジはそれぞれのリンクからご覧ください。

 

 

優先順位

Level6

  • ≪ヴァイルスパイン・スレイヤー≫、≪昏倒≫
  • ≪始祖ドレイク≫、≪SI:7諜報員≫、≪ボーンメア≫
  • ≪死角からの一刺し≫、≪腹裂き≫、≪穢れしウォーゲン≫
  • ≪ファルドライ・ストライダー≫、≪コバルト・スケイルベイン≫

※別の行にあるカードには、それなりの強さの差があります(上に行くほど強い)。同じ行のカードの強さは近いですが、左側にあるほど強いと考えています。

解説

 ・≪ヴァイルスパイン・スレイヤー≫は最強のカードで、出ただけ取ってよいでしょう。≪昏倒≫は盤面の大きな優位を築けるカードです。手札消費こそありますが、手札が切れる前に勝ってしまえば問題なく、ローグはそのような短期決戦が得意なクラスです。パラディン1人につき1.2枚程度の≪剣竜騎乗≫を持っている*3今の環境では、騎乗したミニオンをやすやすと返せる点も魅力的です。

・≪始祖ドレイク≫、≪ボーンメア≫、≪SI:7諜報員≫がこれに続きます。展開と除去を同時に行え、なおかつコストパフォーマンスに優れるこれらのカードは非常に評価が高いです。≪始祖ドレイク≫は、ローグには珍しい劣勢を返せるカードである点、減りがちな体力を守れる点、相手の警戒外*4から2点全体除去をお見舞いできる点を高く評価し、左に記しています。

・≪死角からの一刺し≫は優秀な除去ですが、主要な標的である2マナミニオンが減ったこと、体力4以上の3マナミニオンが増えたことを考えこの評価です。≪腹裂き≫は優秀なコストパフォーマンスながら、コンボが必要な点を踏まえこの位置です。≪穢れしウォーゲン≫は使ったことがないため暫定評価です。

・≪ファルドライ・ストライダー≫、≪コバルト・スケイルベイン≫は、それぞれ運が絡む、状況を選ぶところがネックになります。他の状況を選ばずいつでも活躍できるカードには一段劣る印象です。

Level5

  • ≪猛毒の仕込み≫、≪誘拐魔≫
  • ≪ファイアプルーム・フェニックス≫、≪ヒルドニル・フロストライダール≫、≪石肌のバジリスク
  • ≪怒れるエティン≫、≪ブリンク・フォックス≫
  • ≪デファイアスの親方≫、≪ストーンヒルの守護者≫、≪レイザーペタル・ラッシャー≫
  • ≪卑劣な一撃≫、≪暗殺≫
 概説

・≪猛毒の仕込み≫、≪誘拐魔≫の2枚は、仮にLevel6にいたとしても上位に入るカードです。≪猛毒の仕込み≫は1枚目の優先度は非常に高いです。≪誘拐魔≫は各種Tierリストでは過小評価されていますが相当強いです。3マナを戻すだけでも6/5/3としては及第点ですし、それ以上のコストのミニオンを戻せば試合は大きく傾きます。しかし、コンボ効果を起動できるのは早くて7-8ターン目なのがネックで、≪猛毒の仕込み≫には劣ります。

・これらのパワーカードには及びませんが、順当に活躍する強力な中立ミニオンが並びます。≪石肌のバジリスク≫を含むアタックの低い猛毒のカードは、強力な確定除去を擁し、また相手ヒーローのライフを早く削りたいローグでは多少評価が下がります。

・≪怒れるエティン≫、≪ブリンクフォックス≫は強力ですが、上のカードと比べると確実性に劣る分評価を下げています。≪怒れるエティン≫は高コストながら確定除去への耐性がない点、≪ブリンク・フォックス≫は持ってくるカードの不確実性が気がかりです。

・その下のミニオン3種は、上に比べて活躍の場をさらに選ぶ、あるいはうまく作用しても極端に大きな効果を及ぼさないと判断してこの順位です。

・≪卑劣な一撃≫はもしかしたらもう少し上かもしれませんが、他の優秀な除去と比べて劣っている印象です。≪暗殺≫はカードパワーが大して高くないのと、確定除去過多を避けたいためにこの順位です。

Level4以下で特に強いカード

優秀な1マナ Level1≪アージェントの従騎士≫≪ウォーゲンのスパイ≫、Level0?≪南海の甲板員≫

早期決着を狙うローグでは、優秀な1マナの価値が上がり、Level1以下でこれらを集められるのはうれしいです。特に≪ヴァイルスパイン・スレイヤー≫、≪誘拐魔≫のような重めのコンボカードを取っている場合は積極的に取りたいです。

優秀な≪ファイアフライ≫はLevel4にいますが、一緒に出てくるカード、デッキ構造次第では十分選択肢になります。

Level1 ≪ヘンチ・クランのゴロツキ≫≪沼地のドレイク≫ 、Level0≪ダイダラ墓地≫

≪ヘンチ・クランのゴロツキ≫は、ローグであればヒーローパワーの武器を振り回すだけでどんどん大きくなっていきます。構築の奇数ローグにも搭載されるパワーカードで、Level5,6と比べても見劣りしないこのカードが下から2番目のLevelで取れるのは、掘り出し物というほかありません。

≪沼地のドレイク≫≪ダイダラ墓地≫もローグのヒーローパワーと相性が良く、Levelの割にお買い得なカードです。

Level2≪菌術師≫

優位に立ちやすいローグでは≪菌術師≫が2体のミニオンを強化できることも少なくないため、Level2にしては相当強い選択肢になります。

Tarrot氏の表を見てわかる通り、下のLevelには多くのカードが存在し、同Level内の強さの差が激しいです。よく考えてドラフトしていきましょう。*5

 

最後に

ローグは「難しい」と敬遠されることもありますが、どの環境でも安定して上位に入る強力なクラスであるため、一度上達すればずっと勝率向上に貢献してくれます。

敬遠される理由の1つは選択肢の幅広さにあると考えており、単に他のクラスができないような柔軟な動きができる、というところが大きいです。そのため、多少選択肢を誤っても他のクラスに劣らず、上手く使えば最強という使い得なクラスだと思います。1番、あるいはパラディンの次に優先して選ぶことをお勧めします。5月9日のPatch11.1で、クラスの強さ調整が行われました。必ずしもローグが1位(2位)とは言い切れなくなってしまいました。

質問、ご意見等はTwitterまでお願いします。

次はパラディン編、その次はメイジ編を書く予定です!

 

*1:概ね各所が出しているTierリストが近いのですが、アジアサーバーの環境や自分の感覚を踏まえた優先順位と微妙に差があり、僭越ながら自分の考える優先順位を公開したいと思います。

*2:あくまで非公式の情報なので、誤りの可能性があります。それにしても個人でこのような表を作るとは、素晴らしい情熱とサービス精神の持ち主ですね。

また、投稿ではLevelではなくBucketという表現がなされていますが、我々日本人にはあまりなじみのないものであったため、こちらではLevelという表現に置き換えています。

*3:HSReplay.netより、5/5現在。

*4:ローグのカードには、2点以上の全体除去が存在しません。

*5:本当はすべて順位付けしたいのですが、数が多すぎて諦めました。