That's Arena!

ハースストーンの闘技場・バトルグラウンドを勝ち抜く戦略

BetboomClassic@ドバイの出場者とルールを独断と偏見で語る

5/3~5/5のそれぞれ18:00より、アラブ首長国連邦のドバイでバトルグラウンドの大会"Betboom Classic"が開かれている。

(大会情報ページ:Escorenews.com)

https://escorenews.com/en/hearthstone/betboom-classic-hearthstone-battleground

 

バトルグラウンドでは珍しいオフライン大会、しかも世界中の精鋭プレイヤー24名が招待されており、とても見どころの多い大会である。

 

PVではレノジャクソン、シルヴァナスなどのおなじみのキャラクターが現実世界に。非公式大会ながらハースストーンの世界観に対するリスペクトが感じられる。

会場セットもすごい! バーテンダーのボブを囲む8人の酒場の客という、まさしくバトルグラウンドの世界そのものが展開されている。

 

日本からは2名の選手、その他海外からも強豪プレイヤーが多数招かれている。この記事では、参加者の中から注目選手をピックアップして、彼らのすごいところを独断と偏見で語ったあと、大会日程を簡単に紹介する。

イベント観戦のお供にしていただければ嬉しい。

(この記事を出すのは1日目の途中ですが、予想以上の盛り上がりを見せているため急遽書きました。2日目からの観戦も十分楽しめるかと思います!)

 

日本の選手

MATSURI

みんな大好きまつりさん。国内外から多くのリスナーを集める人気配信者である。

前年までのロビーレジェンド(世界大会)常連。何でもできるプレイヤーであるが、特に引きに恵まれない時の粘りが強い。1,2位入りが難しそうだと判断したら、欲張らずに目の前に見えているミニオンをうまく組み合わせて耐え忍んでいくセンスを持った選手だと考える。

また、終盤の詰めのうまさはよく知られている。自分より強いはずの構成に対して、適切なテックカードの選択で的確に弱点を突いて1位をかっさらう姿は、普段の配信でもたびたび見ることができる。新環境が始まって日が浅い中で、はたしてどのような対策で優勝を獲るか楽しみである。

なお、この大会では選手に事前インタビューとして、「好きなミニオンの召喚時ボイス」を聞いているようだ。MATSURIさんの意気込みあふれるインタビューの様子をぜひご覧いただきたい。

 

www.twitch.tv

 

Alutemu

これまた日本を代表する人気配信者。実力も折り紙付きで、まつりさん同様ロビーレジェンドの常連であった。

Alutemuさんは1位の割合が非常に高い。毎試合の登場種族に応じた強い構成を的確に見定め、多少のリスクを負ってでもその強い構成を組むのが上手い選手だと見える。

また、一見打つ手が明らかな盤面でも思考停止することなくベストな選択肢を考え抜くのがAlutemuさんの強さであろう。そうして考え抜いた結果、われわれが気づきにくい妙手を繰り出して確かなアドバンテージを積み上げていく。(雇用フェイズで時間切れになる姿が時々見られるが、それは彼の思慮深さの裏返し、なのかもしれない)

もちろんAlutemuさんのインタビューもある。ぜひご覧いただきたい。

clips.twitch.tv

 

 

海外の注目選手

日本からはこの2名が出場するが、他の22名は海外出身のプレイヤーである。一覧は以下のとおりだ。

 

この中で、特に注目したい選手を挙げる。

Beterbabbit

NAサーバーの超強豪でロビーレジェンドの常連選手。(何か当たり前のようにロビレジェ常連とか書いていますが、1回出るだけでも大変なことです)

超アグレッシブなプレイスタイルが特徴。一見無謀に見えるグレード上げをしながら、うまいことぎりぎりで耐えて気づいたら1位をもぎ取っている。極限までリスクを見極めるのが上手いのだろう。

攻め一辺倒と思わせておいて、まれに極端に遅くグレード3までとどまるなどの守りの選択もできる選手である。両極端のメリハリが利いたプレイスタイルは他者の模倣を許さず、新環境でどのようなプレイをするか楽しみである。

jeef

2023年最後のロビーレジェンドのチャンピオン。前シーズンのNAサーバーのレートは前人未到であった19018。一説によると平均順位は2.5位(*8人でやるゲームにもかかわらず)であり、今バトグラの真理に最も近いプレイヤーかもしれない。

彼は1位率が極めて高い一方で、下位落ちも極めて少なく、爆発力と安定性を高い次元で併せ持っている。おそらくは押し引きのタイミングを見極める的確な状況判断力と、構成のバリエーションの広さがこの高順位を可能にしているのだろう。本大会でも、世界最高峰のプレイングがいかんなく発揮されることに期待したい。

 

謎に包まれた中国勢

参加者の中に”Huya”で始まるものが多数いることに気づいただろう。このHuya(虎牙)とは中国の配信サイトの名前で、彼らは中国出身の選手である。

中国にも飛びぬけた強豪が多数集まっているのだが、前年は大人の事情でロビーレジェンドに中国のプレイヤーが参加することができなかった。ゆえにそのプレイスタイルは未知であるが、著しい実績を上げ続けており、世界有数の実力者であることは間違いない。

先に挙げたjeefが「ラスボス」だとしたら、このhuya 一派は「隠しボス」のような存在だ。詳しいプロフィールは不明だが、名前と実績だけでも紹介したい。

Huyagaoshou

別名”Dominating”。中国サーバーでバトグラがプレイできなかった時も、NA、アジア、EUサーバーで昼夜を問わずバトグラを回して上位に君臨し続けていた正真正銘のバトグラジャンキー。もちろんその実力は折り紙付きで、前シーズンのEUサーバーのレーティングは19000を超える。

筆者が同卓したことは少なく、どこが強いのかは謎に包まれている。この大会で彼のプレイを見ることができるのを嬉しく思う。

HuyaGuo

HuyaGaoshou同様、中国サーバーのサービス一時停止を受けて主にNAで戦っていた超強豪。前シーズンのNAサーバー2位でレートは18057という猛者である。

彼は同卓した印象ではやや安定志向のようにも思えるが、言い切れるほどの回数居合わせているわけではないので明言は避ける。いずれにしろ飛びぬけた技量の持ち主であることは間違いないので、そのプレイを楽しみにしたい。

 

 

Huyaにはもう一人HuyaVVという者がいる。筆者の知る限りではプレイスタイルは不詳であるが、前シーズンEU18000を達成しており間違いなく上手い。(18000オーバーがゴロゴロ出てきて感覚がマヒしそうになるが、著しく高いレートであることを強調したい。)

 

他の参加者も精鋭ぞろい

これまで述べた以外にもヨーロッパのロビーレジェンド常連であるZorgo,GuDDummitや、王道ハースストーンの競技シーンで活躍したSuperJJPavelなど選りすぐりのメンバーが集まっている。そして主催は王道、バトグラ両方で実績を残すSilvernameで、自らトーナメントに参戦している。果たして誰が勝つのか、熱戦の様子から目が離せない。

 

時刻、ルール

この大会は、5/3~5/5に開催される。初日、2,3日目ともに18:00から始まる(なんと日本人に優しい日程と時間!)

 

配信はRDUチャンネル(英語)で行われているが、白うささんが日本語の解説とともにミラー配信を行っており、日本のプレイヤーにおすすめしたい。

https://www.twitch.tv/rdulive

https://www.twitch.tv/shiro_usa_bg

そして大会フォーマットは以下のとおりである。

  • 1日目:3組のグループで4戦、ポイント集計。
  • 2日目:前日のポイント上位8名がA卓、続いて順に8名ずつB,C卓に入ってそれぞれ4戦を行う。
  • 3日目:決勝。A卓上位5名、B卓上位2名、C卓上位1名で戦う。

つまり、少なくとも2日目までは全員に優勝のチャンスがある。もちろん1日目に勝ってA卓に進出できた方が決勝進出しやすいとは思われるが、A卓に強い選手が集まる傾向もあり、B,C卓の選手でもプレイスキル(と幸運)によっては決勝への進出が十分可能と思われる。少なくとも2日間は推しの選手を応援できる素晴らしいルールだ。

 

ということで、今ドバイで盛り上がっているバトグラ大会について急遽解説を書いた。みなさんがこの大会を楽しむための手助けになっていれば嬉しい。