パワーカードが続々と発表されていますね。次の闘技場はどうなるのでしょうか。
本日7/25までに発表されたカードのうち、面白そうなカード4枚を、環境予想を交えながらじっくり評価していきましょう!
まずは、ハイリスクハイリターンなこの1枚。
≪狂気の災厄≫
評価:(Heartharena基準*1)72点
雑感
1マナで相手の大型ミニオンを処理できる、凄まじいカード。
もちろんデメリットも大きく、相手にも武器を付けてしまうのでプラスマイナスゼロと思われがちですが、こちらは相手の毒武器に備えて大型を手札に温存できるため、こちらが少し分が良く、1マナとカード1枚を消費する価値は十分あります。そもそもローグは大型ミニオンをさほど使いません。
また、毒武器を振らせるとなればもちろんヒーローにダメージが入ります。これはメリットでもデメリットでもあるのですが、こちらが攻めている側であれば相手へのプレッシャーがより大きくなります。ローグは序盤・中盤の小競り合いが得意なヒーローのため、早くから攻めることでこのようなプレッシャーをかけやすいのは良し。
あと、おまけに相手の武器を破壊できます。≪ヴァインクリーヴァー≫などの強力な武器を使ってくるパラディン相手には、頭に入れておきたい点です。
……と、単体性能は素晴らしいカードなのですが、ローグは他にも優秀な確定除去*2を多数持っているヒーローで、役割が被ってしまうのが難点。
(この≪誘拐魔≫、過小評価されがちですがかなり強いカードです、敬遠してた人は使ってみてください)
しかも、8月から始まる新環境のカードプールは以下の通り。
- 基本+クラシック
- 探検同盟
- 大魔境ウンゴロ
- コボルトと秘宝の迷宮
- 天下一ヴドゥ祭
- 突撃!探検同盟
つまり、この辺の確定除去や、役割の被る「猛毒」のカードが帰ってくるわけです。
特に、前2枚の≪ヴァイルスパイン・スレイヤー≫と≪猛毒の仕込み≫は非常に強力で、出てきたらぜひ取りたいカードです。
確定除去は強力ですが、取りすぎると相手が小~中型を出し続けた際に腐ってしまい、敗因にもなりかねません。そのため、デッキに入れる枚数は4枚程度を上限とするのが良いと考えています。
……となると、ここで評価する≪狂気の災厄≫の席がなくなることもしばしばありそうだなーと考え、多少点数を下げて72点としています。強いカードなのでドラフト序盤では取っても構いませんが、中盤以降はデッキの確定除去の枚数と相談しながら判断していくことをおすすめします。
さて、「災厄」シリーズは悪のクラス(ローグ・ウォリ・シャマ・プリ・ウォロ)に1枚ずつ追加されます。シャーマンの「災厄」も、かなり面白そうなカードです。
≪マーロックの災厄≫
評価:76点
雑感
これ何なんですかね。
マーロックの平均能力値は2/2に届かないくらいでしょうか。そのくらいの前提で話を進めます。
となると、相手の盤面に細かいミニオンが並んでいる時に、全体除去と思って撃つには3マナとはいえ少し心もとないですし、むしろメリットを与えかねません。それよりは、≪ヴァイオレット・ヴルム≫のような大型1体+αを相手に打つことが多そうです。5/5程度の中型2枚を相手にヒロパと合わせて打っても、まあ元は取れてるかと思います。
また、こちら側に細かいミニオンが並んでいる時に全体強化のように使うことも考えられます。それこそ、≪ヴァイオレット・ヴルム≫のトークン7体を強化できれば、それだけで3マナとしては破格の仕事でしょう。
すごく極端なコンボですが、≪エラばれし我らにヒレ伏せ≫(探検同盟)との相性は抜群です。
ということで、全体除去というよりは確定除去?と、限定的な全体強化を合わせたような不思議なカードです。3マナにしては効果が大きいと思って76点を付けましたが、使ってみないと何ともわかりません(予防線)。トークン展開カード、および当然マーロックシナジーとは相性が良いです。
あと、これを打つ前にヒーローパワーを使う方が得な場面が多いので忘れずに打ちましょう。
他の「災厄」も盤面全体に影響を与えるのだとか。加えて≪地震≫が追加され、往年の全体除去である≪心霊絶叫≫、≪集団ヒステリー≫、≪メテオ≫、≪火山噴火≫まで帰ってくるとなれば、長期戦が頻繁に起こる環境になり、カードドローや高コストカードの重要性が高まりそうですね。
≪魔力のフラックメイジ≫
評価:82点
雑感
これ何なんですかね(2度目)
特定のカードと組み合わせることで強いカードであり、よく「シナジーカード」なんて呼ばれたりします。
この手のカードを評価するポイントとして、①能力が発動した時の強さ、②発動させやすさ、③発動しなかった時の強さがあるのですが、このカードの場合、
- 発動した時の強さ:2点全体…申し分なく強い
- 発動させやすさ:秘策と手札にそろえる必要があるが計5マナ…普通程度
- 発動しなかった時の強さ:2/3/2とまったく問題なく運用できる
ということで非の付け所がなく、しかも上手くはまれば勝利条件になるようなすごいカードです。しかも、同じ拡張には≪雲の公子≫もあります。
(ただ、≪雲の公子≫自体は秘策が無ければ弱く、さらに秘策と併せて使うには8マナ必要であり安定性に欠けるため、秘策デッキになっていなければあまり取りたくはありません)
これらのカードがどのバケットで、どのくらいの頻度で取れるかはっきりしませんが、ここまで強いカードが増えれば積極的に秘策コンボを狙う価値があると思います。その時は≪魔法学者≫(大魔境ウンゴロ)が秘策デッキの安定性を高める素晴らしいカードなので、合わせて取りたいところです。
総じて、≪フレイムストライク≫などのいつでも強いカードには劣りますが、ハマった時の爆発力がすさまじく、そうでなくても合格点の仕事をする素晴らしいカードで、82点と評価しました。(もちろん、すでに秘策が取れていれば点数が上がりますし、ドラフト中盤以降で秘策が無ければ下がります。)
メイジに限らず、今回の拡張はこの手の「シナジーカード」が多数あり、しかも強力なものがちらほらいます。これらを生かしたデッキが組めそうなら、早くからその方向に舵を切ることがおすすめです。
各ヒーローにどんなシナジーカードがあるのかを知っておくことが重要なので、ここで主要なものを簡単にまとめておきます。太字は特に狙いやすそう、または強力そうなものです。逆に斜め小字は上手くいくかわからない、弱めのシナジーです。
メイジ:秘策、エレメンタル
シャーマン:悪の手先、エレメンタル、トーテム
ウォーロック:自分にダメージ、悪の手先
ウォリアー:挑発
パラディン:体力1
ローグ:断末魔?
ハンター:獣、秘策?
ドルイド:全体強化、≪ハチだーッ!!!≫+血祭
プリースト:???
(7/25時点で不明)
追記:どうやら回復+蘇りのコンボが狙えそうです。
「コボルト」をやっていた人はおなじみの「呪文石」シリーズも帰ってきます。様々なシナジーを考慮したドラフトを楽しみましょう。
≪アヌビサス・ウォーブリンガー≫
評価:47点
雑感
国内外の闘技場プレイヤーの間で意見が割れてたのですが、私はあまり強くないと思います。理由は3つあります。
①即効性のなさ
断末魔を使えるのが出してから早くて1ターン後、それで強化されたミニオンが戦闘できるのがもう1ターン後、と考えると即効性がないですね。ただでさえ9ターン目まで出せないのに、こんなにのんびりしてると手遅れになる場面が多そうです。特に遅めのデッキでは。
逆に、早めのデッキなら効果を活かすための隙を作ることができますが、手札がなくなるのも早いので+3/+3強化が活かしにくい、というジレンマを抱えたカードです。
同じ9マナで活躍している≪北海のクラーケン≫や≪バーリー・ショベルフィスト≫が強いのは召喚したターンに仕事ができるからです。このカードにはそれができません。
さて、先程「長期戦が頻繁に起こる環境になり、カードドローや高コストカードの重要性が高まりそうですね。」と書きました。しかし、ただ高コストのカードを取っていれば良いというわけではないのです。その理由が次です。
②大型ミニオン対策の増加
非常に強い確定除去の《リフトクリーヴァー》が追加されるだけでなく、《ウルダマンの番人》、《ヴァイルスパイン・スレイヤー》なども帰ってきて、大型ミニオンには厳しい環境と言わざるをえません。
③大型ミニオン自体の増加
加えて、ライバルとなる他の大型ミニオンも多い環境にあります。
確定除去などが多い次の環境においては、大型ミニオンの中でも《始祖ドレイク》《電撃デビルザウルス》のような出したターンに(すなわち、除去される前に)仕事ができるもの、もしくは《ヴァイオレット・ヴルム》のように破壊されても何かが残るものを重視したいです。
このカードは破壊されても+3/+3強化を発動できはしますが、いかんせんタイミングが遅く、他の優秀なライバルを押しのけて採用できるほどのパワーはないと思います。
総じて、状況がかみ合って勝利条件になるようなこともあるカードだと思いますが、手札で9ターン目まで腐るリスク、出せたとしても無視されたり除去されたりで負けるリスクには見合わず、しかもライバルも多いということで47点の評価です。
ということで面白そうなカードと環境予想でした。環境予想のまとめとして、
などが言えるかと思います。
これにて事前評価第一弾は終了です。ただ、7/25時点で公表されているのはまだ半分程度ですから、面白いカードを見つけたらまた書いてみたいです。それでは!
(8/5)続編を書きました