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ハースストーンの闘技場・バトルグラウンドを勝ち抜く戦略

闘技場格付けチェック2020【激闘!ドラゴン大決戦】

ハースストーンプレイヤーのみなさん、あけましておめでとうございます!

お正月といえば“格付け”。一流プレイヤーの皆さんへ挑戦状です。

 

~ルール~

  • 問題は全3問。最新の「激闘!ドラゴン大決戦」環境で強いヒーローである、パラディンドルイド、ハンターのデッキを2つずつ持ってきました。
  • 2つのデッキのうち、1つは闘技場で12勝したデッキ、もう1つは6勝以下に終わったデッキです。どちらが12勝デッキか当ててみてください。

 

では、さっそく始めましょう。

 

チェック① パラディン

現環境の最強ヒーローといわれるパラディン。12勝デッキはどっち?

 

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(下をクリックする前に、どちらが12勝デッキか考えてみてください)

 

 

正解、解説を読む

 

 

正解はAです。ちなみに、Bのデッキは3勝に終わりました。

 

解説

Aのデッキはとにかくカードが強く、またデッキのバランスも良かったため安定して勝つことができました。

 

強力な新カードである、≪双暴帝≫≪トロルのコウモリ騎兵≫がどちらも2枚取れており、それぞれ大きく活躍しました。ともにミニオンの召喚と除去が同時にできる、コストパフォーマンスの高いカードです。

この2枚と≪躱し身のワーム≫は新拡張屈指の中立カードであり、Heartharena基準で85点~100点レベルのパワーがあります。よほど強いカードが隣にない限りは取って良いでしょう。

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この2枚に加え、≪ブラッドクロー≫≪有徳の守護者≫≪アルダーの平和の番人≫などを中心に、強力な1-3マナ帯のカードが集まっています。これらの優秀な序盤のカードで盤面を制圧できると、≪ネルビアンの説凶師≫のような戦闘補助や≪アンバーの番竜≫のようなミニオン回復により有利を押し広げることが出来ます。これはパラディンの主要な勝ち筋の一つで、≪勇者の紋章≫などでも同じようなことができます。

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これをやるためには序盤、中盤のミニオンの質と量が重要で、Aのデッキはこれを満たしています。「2マナが少ない」と思うかもしれませんが、パラディンは1マナさえ多ければ、2マナは少なくても問題ありません(両方合わせて6-8枚程度が理想)。

パラディンのヒーローパワーはいつ使っても無駄にならず、1ターン目に1マナ召喚→2ターン目ヒーローパワーという動きが、単に2マナミニオンを召喚するのと同等か、それ以上の強さになるからです。

 

Bのデッキも決してバランスは悪くないはずなのですが、カードパワーが足りず3勝に終わってしまいました。前の環境なら7-8勝くらい狙えそうなデッキなのですが、この環境はとにかく強いカードにあふれており、凡庸なカードばかりだとすぐに敗退してしまいます。こればかりは仕方ありません。

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2枚ある「ブラックウィングの技術者」は、効果を発動できれば3/3/5となり非常に強力です。しかし、デッキのドラゴンの枚数は4枚であり、3ターン目に安定して効果を発動させるのは難しかったです。

このような効果を発動させるためのドラゴン枚数の目安として、3枚以下ならあまりシナジーに期待できず、4-5枚なら(体感)7割くらいの確率で狙うことができ、6枚以上なら安定して狙える、という感覚です。ただ、早いターンに召喚したい≪ブラックウィングの技術者≫なんかは、少し厳しめに見た方が良いでしょう。

 

 

 

チェック② ドルイド

新カード、既存カードともに強力なものが追加され、速攻から長期戦までこなせるドルイド。12勝デッキはどっち?

 

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(下をクリックする前に、どちらが12勝デッキか考えてみてください)

 

 

正解、解説を読む

正解はBです。ちなみに、Aのデッキは6勝に終わりました。

 

Bのデッキ紹介

 まず、手札にドラゴンがある時に効果を発揮するこの2枚が非常に強かったです。デッキにドラゴンが6枚もあったため、安定して効果を発動させることが出来ました。

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あと、1-5ターン目のミニオンの量、質が良かったです。今の環境では全体除去、挑発が少ないため、早期にリードを築いた側が勝ちやすいと言えます。

≪躱し身のドラコニッド≫や≪双暴帝≫が出る終盤はともかく、それまではリードされている側の逆転がかなり難しいです。そのため、序盤から強い展開をし、場にミニオンを並べたうえで≪野生の力≫や≪獰猛な咆哮≫のような全体強化を使って押し切る、という戦略が有効に機能します。

  

高い勝数帯においては相手が≪双暴帝≫のような終盤のパワーカードを多く持っていたり、探検竜シリーズから≪イセラ≫や≪オニクシア≫のような強力なカードを発見されたりすることが頻繁にあります。そのような終盤の強い動きに付き合う前に、速攻を仕掛け相手を圧倒できるデッキでした。
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Aのデッキ:何がダメだったのか?

1,2マナはAと同じぐらい強かったのですが、3マナが1枚しかなく、4マナミニオンも弱いものが多かったのが弱点となりました。一応2マナが豊富なため3ターン目に2マナを召喚し凌ぐことはできましたが、強いカードが飛び交う今の環境では十分な動きと言えず、この環境で重要な序盤の盤面取り合いに出遅れることが多かったです。

≪躱し身のワーム≫とか≪双暴帝≫がもう少しあれば、多少序盤で出遅れても巻き返せますが、常にそんなに取れるとは限らないため、優秀な序盤・中盤の動きを揃える必要があります。

 

その他、共通点について

≪生きている根≫≪遊げ木隊≫は1マナミニオンとしても強いうえに、中盤以降も活躍の場がある優秀なカードです。

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≪エメラルド探検竜≫は単体で4/8挑発と高い能力を持ちながら、強力なカードの多いドラゴンから発見ができる新拡張屈指のパワーカード。≪究極の侵蝕≫以外が隣なら、迷わず取っていいと思います。

 

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チェック③ ハンター

どちらも一見バランスの悪そうなデッキですが、一方のデッキで12勝しています。さてどちらでしょうか?

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(下をクリックする前に、どちらが12勝デッキか考えてみてください)

 

正解、解説を読む

 

 

正解はBです。

「うそだろ?」と思った人もいるかと思います。僕もこのデッキをドラフトし終えた時はバランスの悪さに後悔したのですが、実際に試合してみると予想以上に強く、あれよあれよと連勝できました。

このデッキの強い理由を解説していきます。

 

デッキバランスについて

一見悪そうなのですが、1-5ターン目までは問題なく動け、しかも強い動きが多かったです。4マナは1枚なのですが、4ターン目は豊富な2マナ2枚か1+3の動きが可能なため、やや手札の消費が激しいものの、特別弱さを感じることはありませんでした。

ドルイドの解説にも書いた通り、今の環境は序盤~中盤で築いた有利を簡単には覆されません。序盤からミニオンを展開し、終盤にはヒーローパワーを交えて素早く相手のライフを削り切る戦略を取りました。ハンターは速攻戦に強いヒーローパワーのため、このように軽量ミニオンを多く採用し、序盤・中盤戦に特化したデッキを組むことが出来ます。

(あと、2枚ある≪ドラゴンブリーダー≫が重いドラゴンをコピーでき、≪追跡術≫や≪ボーンドレイク≫もあるため、見た目よりは長期戦に強いです。)

 

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強かったカード

≪フェーズ・ストーカー≫は凄い。

標準的な能力に加えヒーローパワーを打つだけで秘策をデッキから張れる効果を備えており、手札から秘策を使うのに比べて手札1枚とライフ2だけ得しています。ハンターの秘策の中でも≪毒牙の罠≫≪凍結の罠≫≪ヘビの罠≫はとても強力なカードで、ぜひ一緒にドラフトしたいです。4ターン目の強い動きになるので、このデッキで少ない4マナミニオンの穴をカバーしてくれました。

 

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既存カードだと2枚入っている≪スプリングポー≫や≪エサ付きの矢≫が活躍しました。≪スプリングポー≫はハンターの苦手な細かいダメージを出せる手段で、特に≪狩人の狙い≫との相性は抜群でした。≪エサ付きの矢≫は実質2ダメージを与えながら5/5を場に出せる破格のカードで、このカードで有利を押し広げた次のターンから相手ヒーローを攻撃し始めダメージを稼ぐ、という展開が多かったです。

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こういった早いデッキだと、相手ヒーローに直接ダメージを与えられるカードが強いです。≪エサ付きの矢≫もヒーローを対象に取ることができ、これでとどめを刺した試合もありました。

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 これだけ軽いデッキでも≪双暴帝≫は強く、ハンターでも迷わず取ってよさそうです。8ターン目辺りは序盤に築いた盤面を押し返されるような時期ですが、このカードで再度盤面を取り、他のミニオンが生き残りつづければそれだけ相手へのダメージが増えます。このカード自身もヘルス10と簡単に処理できないため、次のターンからの攻撃に参加できることが多く、結果としてダメージを稼ぎやすいです。

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ちなみに、Aのデッキは3勝に終わりました。マナカーブはBに比べて悪くないものの、≪エサ付きの矢≫や≪凍結の罠≫のような一気に試合を動かせるカードに欠けます。また、秘策がないため≪フェーズ・ストーカー≫はただの2/2/3でした。

2枚ある≪ぽっちゃりチビドラゴン≫はもちろん弱くないのですが、ハンターではそこまで強くもないかなーと思います。ハンターが中盤でやりたいことは、手札補充よりも盤面の制圧です。ただ、≪始祖探検竜≫はさすがに強いです。標準的な能力値に加え、強力なカードの多いドラゴンからの発見となれば相当のパワーです。しかも、発見先には強力無比な≪ヴェラナス≫がいます。

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(その他)

必ずしもBのデッキのように低マナ帯に寄せる必要はありません。現環境では≪始祖探検竜≫や≪急降下グリフォン≫のような優秀なリソース補給、あるいは≪双暴帝≫のような強力な終盤カードにより、ミッドレンジ寄りの強いデッキも組めます。

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格付け結果

3問全問正解 ≪闘技場の覇者≫

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2問正解≪熱狂的闘技場ファン≫

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1問正解≪二流の強面≫

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0問正解≪蒸発≫

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「激闘!ドラゴン大決戦」の強力なカードが多数加わったことで、構築戦も闘技場もかなりゲーム性が変わりました。普段闘技場をプレイしている人はもちろん、最近あまりプレイしないという人も、久しぶりにやってみるとパワーカードの応酬を楽しめるかと思います。

勝利のコツは、今まで述べた通り≪双暴帝≫のような強力な新カードを頭に入れること、および2-5マナ域のミニオンの質、量を確保することです。ここに書いた主要3ヒーローは特に序盤の重要性が高まるので、頭に入れておくと良いドラフトができるでしょう。また、前に一般的なドラフトガイドも書いたのでそちらもよければ見てください。

 

 

それでは、今年も闘技場を楽しみましょう!