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ハースストーンの闘技場・バトルグラウンドを勝ち抜く戦略

「風集うストームウィンド」の闘技場を考察する

新拡張「風集うストームウィンド」が8/4にリリースされますね!

相変わらず過去に比べカードパワーが高めですが、カードの方向性は若干変わったような気がしています。いつもの通り、新カードを見て闘技場でのデッキづくりやプレイングのポイントを考察していきましょう。

 

新メカニズム「交換可」

「交換可」のキーワードを持つカードは、1マナを払ってデッキに戻し、代わりに1枚カードを引くことができます。使えそうならそのまま使い、役に立たない場面なら戻すという柔軟な動きができます。

焼け残り特売

 

この2枚のような状況を選ぶカードは交換可がなければ使いにくいのですが、要らないときにデッキに戻せるなら話は別です。取れる機会は多いと思います。

 ナールの欠片胡散臭いバーテン

 

使い方としては役に立たなそうなときに戻すくらいなので、基本的にはあまり注意することはないですね。

強いて言えばマリガンでしょうか。

輸入タランチュラ亀は万年

このような強い「交換可」カードはキープしやすいです。2~3マナミニオンが引ければそのまま5~6ターン目に使う、そうでなければ1ターン目に「交換可」を使って序盤のミニオンを探しに行くという芸当が可能です。

「輸入タランチュラ」はとにかく強いので、5マナながら多くの場面で初手キープができそうです。「亀は万年」だとキープするには少し遅くて弱いかもしれませんが、序盤の動きが整っていれば残すことも考えられます。

 

 

新カード雑感

キーワードに注目

今回の拡張では、クラスカードで特定のキーワードを参照して効果を発揮するカードが多くあります。

プレスターの火霊術師SI:7暗殺者

クラスごとにどのキーワードが注目されているかを頭に入れておき、ドラフト時にはそのカテゴリの優先度を上げておくことがおすすめです。後で各クラスのシナジーをまとめます。

個性的な中立カード→デッキに応じた判断を

また、今回の拡張は中立カードも特徴的です。特に、5マナ以上はオーソドックスなミニオンが少なく、個性的な効果を持ったミニオンぞろいです。

特に気をつけたいのは、「有利な時に強いミニオン」「不利な時に強いミニオン」の区別です。

ストームウィンドの衛兵バトルグラウンドのバトルマスター

 これらのカードは有利な時に強いものです。ドラフト時には、低マナ帯のミニオンが多く取れていると優先度が上がります。反対に、これらのカードが既にとれていれば、序盤の動きを整えてこれらが活躍するデッキを組むことが大事になります。

 

  獅子近衛兵モアーグの鍛冶鬼

 逆に、これらのカードは自分が押されているときに真価を発揮します。低マナ帯のミニオンが少ない、弱いときには優先度を上げましょう。

デッキづくりの際はマナカーブだけ見て判断するのではなく、効果が自分のデッキに合っているかどうかでカードの評価を微調整することが重要です。今までも重要な考え方でしたが、個性的な中立が目立つ現環境では特に気をつけたいポイントになります。

 

ローテーションの影響

今回の拡張では、以下のセットのカードが登場します。

 

  • 風集うストームウィンド
  • 荒ぶる大地の強者たち
  • ダークムーン・フェアへの招待状
  • 突撃!探検同盟
  • 天下一ブドゥ祭
  • 妖の森ウィッチウッド

赤:追加されるもの

 

いくつかのパックが新規追加される一方で、既存のカードのうち「灰に舞う降魔の狩人」、「魔法学院スクロマンス」が落ちます。

これらの拡張は、近年の闘技場環境を大きく変えたものです。急襲、雄叫びダメージが多くあり、不利な側からの逆転を容易にしていました。

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これらが落ちる一方で、新カードにはこのようなカードは多くありません。

むしろ、盤面にミニオンがあるときに強いカードが増えます。そのため、序盤からしっかりミニオンを出せるようなデッキを組むのが重要な環境になるかもしれません。よく言われる言葉では「テンポ環境」「早い環境」などが当てはまると思います。

衝角の乗騎バトルグラウンドのバトルマスター

…とはいえ、こういう「早い環境」というのは相対的かつ眉唾な表現でして、あまりこだわりすぎるのは良くないと思います。基本的には強いカードを取り、迷ったときに軽いカードを取るようにする、というバランスのとり方がちょうどいいでしょう。あくまで参考までに。

 

クラス別 ワンポイントアドバイス

先ほど書いた通り、クラスごとに特定のキーワードに反応して強くなるカードが多いです。ドラフトの際には、どのクラスでどのキーワードがフィーチャーされているか注意して、そのシナジーを優先的に取るとよいでしょう。

特に、キーワード能力のシナジーを発動させやすいのがドルイド、メイジです。見ていきましょう。

ドルイド:攻撃力

ドルイドは「ヒーローの攻撃力を上げる」カードと、それに反応して効果を発揮するカードが多いです。この「ヒーローの攻撃力を上げる」カードは単体でも使いやすく、またヒーローパワーでも発動できます。

公園のヒョウウィッカークロー

 

しかも戻ってくる「天下一ヴドゥ祭」のカードにも同じシナジーがあったりします。発動させるための手段にはとにかく困らないので、狙いやすいですね。

獰猛な強襲兵

あと、ドルイドは「お花屋さん」+自然呪文の連携もあります。頭に入れておきましょう。

お花屋さん

 

メイジ:火炎呪文

メイジのテーマは火炎属性付きの呪文です。単体でも活躍し、コンボしてもっと強いカードが集まっています。そのため、狙える機会は多いでしょう。特に「プレスターの火霊術師」が強力で、これを出しておけばいつでも呪文ダメージ+2をつけられるのがえらい。

プレスターの火霊術師焼け残り特売

 

ウォリアー:海賊

ウォリアーは海賊がテーマです。新カードの2枚は単体で仕事をしたり、デッキに海賊が1枚でもあれば発動するのでどちらも取りやすいカードです。このシナジーを狙う機会は多いかと思います。

ガタガタ震えなァァァ!タダ乗せ船乗り

肝心の海賊も単体で強い。「ストームウィンドのぶんどり船員」はかなり強い新カードです。既存カードでも「剣食い男」「ストーンモールのイカリ係」はマストピック級のカードです。自然に数を集めることができるのではないでしょうか。

ストームウィンドのぶんどり船員剣食い男ストーンモールのイカリ係

 

ここからのヒーローには狙いやすさが一段劣りますが、それでも頭に入れておきたいシナジーがあります。

 

パラディン:手札強化

パラディンは手札のミニオンを強化するカードとのシナジーがあります。

アライアンスの旗持ち地下墓所の衛兵リン王室筆頭剣士

ただし、手札強化で無理なく使えるパワーを持っているのは「アライアンスの旗持ち」一枚です。それでも、「地下墓所の衛兵」「リン王室筆頭剣士」は手札強化なしでも十分活躍するカードなので取る機会があり、手札強化とコンボできることもあるでしょう。

 

シャーマン:(オーバーロード)、エレメンタル

オーバーロードを参照するカードは多いですが、どれも闘技場では状況を選びすぎてあまり強くありません。このシナジーは狙えたら狙うくらいの態度でいいでしょう。

焦げ付き超電招来狼の精霊のリーダー

 

一方でエレメンタルは単体で優秀、かつ凄まじいシナジー効果を持つ「鍜治場生まれの花崗岩」がいます。これだけ優秀なカードが新枠におり、既存の「睡蓮に潜むもの」なども続投するのでエレメンタルは多少優先度を上げる価値があります。

鍛冶場生まれの花崗岩睡蓮に潜むもの

 

ウォーロック:悪魔、手札

ウォーロックは2種類あります。メインのものは手札の枚数を参照するカード群です。ただし、手札はカードを使わずともヒーローパワーで増えていくので、ドラフトで気を付けることはないでしょう。

裏通りの取決め思い上がったお客様

もう一つは悪魔です。既存カードに加え、「胡散臭いバーテン」は悪魔を集めると非常に強い雄叫び効果を発揮します。悪魔、特に複数体のトークンを展開するカードとは相性が良く、その辺りがいくつ取れているかで評価が大きく変わるカードです。

胡散臭いバーテン

  

これ以降は狙いにくいシナジーです。無理に狙うより、単体で強いカードを取ることを優先した方がいいでしょう。

ハンター:獣トーク

「革細工キット」「ストームウィンドの笛吹き」がありますが、いずれも単体で弱く、しかもコンボを決めても見返りが小さいカードです。無視して単体で強いカードを狙うのがいいと思います。

革細工キットストームウィンドの笛吹き

 

デーモンハンター:フェル/ドロー

フェル喰らい怒縛の暴れん坊

フェル呪文については、2枚以上とれていればフェル喰らい」を取るというバランスで良いかと思います。カードを引くことに対応する効果もありますが、カードを多く引ける機会は「軽業」程度でしょう(強力だった「グルダンの髑髏」は出現しなくなります)

 

プリースト:ダメージ

虚無に触れし従者サイフィーンド

ダメージを加速するカードがいくつかあります。ただし、序盤のミニオンが強いヒーローではないので攻撃的な戦略をとるのは得策ではありません。あまり追求する必要はないでしょう。

 

ローグ:SI:7

SI:7連絡員SI:7暗殺者

SI:7系カードを使うたびに強くなるカードが2枚あります。

このカードプールに、SI:7という名前のカードは7枚あります。ただ、それらすべてを合わせても1デッキ当たりの枚数はせいぜい2~3枚になることがほとんどだと思います。そのためこれら2枚はさほど強くならないでしょう。たまたまSI:7カードが多く取れたら狙ってみてもいいかもしれません。

 

最後に

ということで闘技場の事前考察でした。今回はとがった中立カードが多く、しかもクラスカードではいつも以上にキーワード能力がフォーカスされています。

デッキによってカードの評価が大きく変わるので、多少単体の性能に劣るカードでも、デッキとのかみ合いで取るチャンスがあります。こういう環境のデッキづくりは考えることが多くて楽しいですね。

それでは、「風集うストームウィンド」の闘技場でお会いしましょう。