That's Arena!

ハースストーンの闘技場・バトルグラウンドを勝ち抜く戦略

闘技場格付けチェック2022

ハースストーンプレイヤーの皆さん、あけましておめでとうございます!

今年で4回目となりました闘技場格付けチェック。2つのデッキの中から12勝デッキを当ててみてください。問題は全部で3問、一流プレイヤーを目指して頑張りましょう!

 


今年は事前にTwitterにデッキ画像を載せ、みなさんに投票いただきました。

 

解答済みの方はさっそく解説を、そうでない方は下の問題を見て考えてみてください。

 

チェック1 デーモンハンター

強力なヒーローパワー、新カードに加え、新キーワードの「武勲」への適性もある最強ヒーロー。12勝デッキはどっち?

デッキA

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デッキB
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(以下の解答解説を見る前に考えてみてください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答、解説

12勝したのはデッキBでした。Aも強く8勝できましたが、Bと比べるとカードパワーには大きな開きがあります。

 

カードパワーの評価

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この辺りのパワーカードは両デッキ共通ですね。「歴戦の尖兵」はコストパフォーマンス抜群で、かなり強い部類の新カードです。

 

 

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Bのデッキで差をつけたのは、新規の「側面奇襲」および既存の「エースハンター・クリーン」のようなパワーカードです。

他のミニオンも総じて質が良く、そつなく戦うことができました。

 

デッキバランスの評価

また、単体のカードのみならずデッキとしてのまとまりにも優れていました。1〜4ターン目の動きが質、量とも充実していたため、序盤に築いたリードを活かして「菌術師」「塔の軍曹」「エースハンター・クリーン」などの有利な時に強いカードを機能させやすかったです。

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デーモンハンターは序盤のカード、ヒーローパワーともに強く、盤面の取り合いに適しているためこのようなカードは評価が上がります。

 

 

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一方、Aのデッキではこのような不利な時に強いカードが多かったです。このようなカードは決して弱くなく、むしろ新拡張でもかなり強いカードなのですが、前のめりなデッキとの相性は良くなかったです。このようなカードが複数取れた場合、デッキをやや重めにするとまとまりが良くなります。

 

ということでカードパワー、デッキとしてのまとまりの両方に優れたBのデッキが安定した強さを発揮しました。

では、次のヒーローに行ってみましょう。

 

 

チェック2 シャーマン

新拡張でパワーカードが多数追加され、最強クラスのヒーローとなったシャーマン。11勝デッキはどっち?

デッキA 

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デッキB

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(以下の解答解説を見る前に考えてみてください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答、解説

11勝したのはデッキBでした。Aは7勝くらいで終わりました。

 

カードパワーの評価

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Bのデッキにあるこの2枚は異様なパワーカードであり、見たら見ただけ取っていいでしょう。「ワイルドポーの洞窟」は4マナで3/4凍結を3体、「霰ん坊」は2/3/2に良質カードの1ドローと、それぞれマナコストを超えた仕事を確実にしてくれます。

 

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Aのデッキもこの辺りの新カードはかなりの強さです。しかし、Bのデッキにある「ワイルドポーの洞窟」「霰ん坊」に比べると一段劣る印象です。「降雪の守護者」はナーフ前の5コストなら最強クラスだったのですが…

先の2枚は「騎士隊長」のようなトップレベルの中立よりも強く、これら2枚は「騎士隊長」より若干弱い程度の位置づけでしょうか。(異論は認めます)

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他のカードもBの方が気持ち強い傾向にあります。中立5/4/7の「決闘衛士」、8/8/8の「トロルの伯騎長」はそれぞれトップレベルまで行きませんが良い新カードです。

なお、Aのデッキに2枚ある「連爆の魔術師」はとても強いのですが、上手く使うにはデッキが前のめりすぎました(後述)。

「どでかいフクロウ」は構築で活躍する一方、闘技場では少し弱めです。この環境は「ヴァイオレット・ヴルム」「疫病始祖ドレイク」「包帯ゴーレム」「トロルの伯騎長」など他に優秀な大型ミニオンが多く、あえてこれを取るべき場面は少ないでしょう。

 

 

 

デッキバランスの評価

シャーマンはアグロからコントロールまで幅広い戦略をとれるヒーローです。ドラフト時はすでに取れたカードと相談しながらデッキの方向性を考えていくことになります。

Bのデッキは2〜4マナミニオンが5枚ずつおり、序盤の動きが安定する印象です。このようなデッキには1〜2枚程度の全体除去を挿すと安定し、それ以上に取る意味は薄いでしょう。基本的にはミニオンを展開して序盤からボードを取り、全体除去はいざという時の備えに据え置くイメージです。

Aのデッキも同じように序盤の動きが十分ありました。そこに「連爆の魔術師」が2枚、加えて「砂嵐のエレメンタル」や「トーチカの軍曹」も全体除去として働くことがあるでしょう。

このような巻き返し手段が複数集まったので、もう少し序盤のミニオンを減らし、重いカードを取る余裕がありました。

 

1マナ、2マナ、3マナミニオンがそれぞれ1、6、5枚は少し多めだったかもしれません。構造としては第1問のデモハンと一緒ですね。

※もちろん、デッキバランスよりカードパワー差を優先すべき場面は多々存在するため、毎回思うようなバランスの取り方ができるわけではありません。Aのようなデッキはカードパワーを優先した結果だったりします。

 

Aのデッキの良かったポイントとしては「小ずるいスノボルト」と各種凍結カードの連携です。凍結を参照するカードはエピックのこれ1枚だけですが、頭の片隅に入れておきましょう。

なお、シャーマンおなじみの「進化」要素はこの環境では少なめです。悪の手先程度であり、あまり意識する必要はないでしょう。

 

 

 

 

チェック3 ローグ

クラスカードは地味ながら、「武勲」とヒーローパワーの相性が良くテンポスタイルで勝てると評判のローグ。12勝デッキはどっち?

 

デッキA

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デッキB

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(以下の解答解説を見る前に考えてみてください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答、解説

12勝したのはデッキBでした。3連続のBとなりましたが、惑わされず正解した人はお見事でした。

 

Aのデッキも決して悪くなく、6勝までは行けました。どちらのデッキもマナカーブは良好で、カードパワーも遜色ありませんが、Aはスタンダードなミニオンばかりでテンポスイングを起こす手段に欠けていました。序盤に出遅れたり大きな挑発ミニオンを連打されたりすると辛かったです。

 

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Bのデッキはミニオンが充実していたのに加え、「状況を選ぶ代わりに、決まればテンポスイングを起こせるカード」が程よい枚数ありました。「無理強い」を筆頭に確定除去※が4枚、これに加えて「連爆の魔術師」1枚が要所要所で試合を覆してくれました。

ローグにとって、このような状況を選ぶカードはこれくらい(5〜6枚)が上限かと思います。それぞれ強力なカードですが、これ以上増やすとミニオンが減り事故の可能性が高まります。序盤からミニオンを展開したいローグにとっては致命的です。

 

※どんなミニオンでも破壊できるカード。「暗殺」、「無理強い」×2にくわえ、「疫病科学者」もこの枠として扱っています。

本当は確定除去4枚でも少し多めなのですが、それぞれは強いカードであり、加えて「疫病科学者」と1/1急襲2種の相性が抜群だったこと、中型ミニオン相手にももったいぶらずに確定除去を使っていくことで何とかなりました。*1

 

 

なお、現環境では「他のクラスのカード」に応じて強くなるカードが何枚かあります。デッキを組む際は意識しておきましょう。

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格付け結果

  • 3問正解:「闘技場の覇者」
  • 2問正解:「二流の強面」
  • 1問正解:「無貌の操り手」
  • 0問正解:「透明マント」

 

 

最近は古典的なテンポ戦略、および耐えの戦略どちらも機能する印象です。前者は新要素の「武勲」により、後者は数多い雄叫びダメージや除去により支えられており、ドラフト中はデッキの方向性によりカードの優先度を柔軟に変えていくとより勝てるようになるでしょう。

 

スタンダードでは世界選手権で日本人が大活躍し、バトグラでは今年からの競技シーンが予告されてそれぞれ盛り上がりを見せていますが、闘技場も闘技場で面白いものがあります。

闘技場ファンとしてはテコ入れが来てほしいと願わなくもありませんが、そういったBlizzard公式の大掛かりな施策を抜きにして楽しい環境になっていると感じます。

チケットを持て余している人はもちろん、盤面の取り合いが恋しくなった人にもおすすめします。「武勲」も闘技場では大活躍です。

それでは、今年もハースストーンを楽しみましょう!

 

(追記)講評

今回Twitterアンケートを使って投票いただきました。結果はこんな感じ。

 

2,3がかなり難しかったようですね…正答率50%未満で驚きました。

 

2問目:際どいところで、構築での活躍によりナーフされた「降雪の守護者」も強いイメージがありAに回答が集まったのかもしれません。ただ、闘技場だと「降雪」は「状況によってズルできる」のに対し、Bの「ワイルドポーの洞窟」は「常にズルできる」レベルのカードであり、これ1枚で勝率が著しく伸びます。2枚ある「霰ん坊」も「洞窟」ほどではないがコンスタントに強い。

3問目: Bの確定除去4枚はやや多めの部類で、Aを選んだ人は除去過多を嫌ったのかもしれません。ただ、Aの1枚というのも少なすぎる感があります。確定除去や全体除去のような尖ったカードは手札に1枚くらいは欲しい場面がよくあり、ミニオンばかりのデッキになりそうなら優先度を上げるのが良いかと思います。

 

 

 

 

 

*1:参考までにbのデッキのドラフト履歴を貼ります。28枚目の「暗殺」は強いですが、5枚目の確定除去は過剰なので「コールドトゥースのイエティ」にしました。20枚目の「ツアーガイド」は2マナが多くないとヒーローパワーのコストを軽減する価値が薄いと考え、4枚目の確定除去ながら「疫病科学者」にしました。

Rogue Arena Run - HearthArena

"Choice overview"にドラフト履歴があります