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ハースストーンの闘技場・バトルグラウンドを勝ち抜く戦略

闘技場格付けチェック【ドラフトアドバイス/ヴドゥ祭】

ハースストーンプレイヤーのみなさん、あけましておめでとうございます。

お正月といえば「格付け」ということで、ちょっとした挑戦状を用意しました。あなたは何流プレイヤーでしょうか?

 

12勝デッキはどっちだ?

現環境の闘技場で活躍しているヒーロー(ウォリアー、ローグ、ハンター)のデッキを2つずつ用意しました。

このうち一つは12勝デッキ*1、もう一つは6勝以下のデッキです。どちらが12勝デッキか当ててみてください。一流プレイヤーの皆さんなら楽勝ですね?

(解説として、ヒーローごとのデッキの組み方にも触れていますので、興味あればぜひ読んでみてください)

チェック① ウォリアー

現環境最強ヒーローと名高いウォリアー。12勝デッキはどっち?

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(下をクリックする前に、どちらが12勝デッキか考えてみてください。)

 

 

 

 

 

 

 

正解、解説を読む

正解はBでした。ちなみに、Aのデッキは6勝で終わりました。

【解説:興味あれば読んでください】

Aのデッキはローグ・ドルイドパラディンという比較的アグロ寄りのヒーロー相手に3敗する結果となった。 Aのデッキはカードパワーで劣っていたことに加え、早い相手への対策が薄かった。

一番の違いは3Drop(※)の質。ウォリアーのドラフトでは、≪出陣の道≫や挑発のような防御手段が取れていれば2Dropはあまり必要ないが、3Dropはさすがに必要(5-7枚が目安)。≪スプリング・ロケット≫は3ターン目に素出しできない場面もあり、3Dropとしては微妙だった。Bのデッキは5枚の3Dropが取れており、しかも≪タール・クリーパー≫、≪ドラゴンスレイヤー≫など質も高い。

(※)〇Dropとは、〇ターン目に安定して出せる(良い動きになる)ミニオン、武器を指します。例えば3マナのカードのうち、≪ブラックワルド・ピクシー≫や≪イーグルホーン・ボウ≫は良い3Dropです。一方、3マナのカードでも≪シャドウボルト≫のような除去、≪魔力なる知性≫のようなドローソースは3ターン目の良い動きとして使えるとは限らず、3Dropとは呼びません。

 

・どちらのデッキも6マナ以上の枚数が9枚と充実しているが、早い相手への耐性という点で差がついている。出たターンに仕事をせず、挑発でもない6マナ以上のカードは立ち上がりの遅いウォリアーではあまりお勧めできず、Aのデッキではそのようなカードがいくつかある。一方、Bのデッキの6マナ以降は全て挑発か雄叫びを持っており、遅い相手へのリソースと、早い相手への防御手段を両立している。

※ただし、≪満腹のスレッシャドン≫≪ヴァイオレット・ヴルム≫はアグロへの防御手段が揃っていれば有効なカードである。

 ・Aはかなり弱いカード≪パーティを組もう≫、≪スぺルウィーヴァー≫を取らされてしまった。強力な≪ドラゴンモーの爆炎竜≫が3枚取れたのは良いが、1点除去は刺さらない場面、邪魔になる場面もちらほらで、まとめて腐ることもあった。

・Bのデッキに2枚ある新カードの≪ダメ押し≫は優秀な除去で、しかも≪ドラゴンモーの爆炎竜≫≪木こりの斧≫≪卵泥棒≫などの細かい打点があったため使いやすかった。

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その他のアドバイス

≪咆えよドラゴン≫は強力な新カードで、バケットも低いのでお勧め。2マナのカードだが、2Dropではなくむしろ7+相当の重いカードとみなすのがよい。ドラフト画面下に表示されるマナカーブとデッキの実態が違ってくるので、他に重いカードを取りすぎないよう注意。≪オメガ・アセンブリ≫や≪狂瀾怒濤≫も同じ。

・どちらのデッキにも入っている≪スルスラズ≫は、ライフに余裕ができる対コントロール戦で特に強力なカード。

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チェック② ローグ

どの環境でも上位Tierを維持し続けているローグ。どちらかは11勝、もう一つは4勝デッキです。

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(下をクリックする前に、どちらが11勝デッキか考えてみてください。)

  

 

 

 

 

 

 

正解、解説を読む

正解はAでした。ちなみに、Bのデッキは4勝で終わりました。

【解説:興味あれば読んでください】

 ・どちらのデッキも3マナが多いが、質に差がある。Aのデッキの3マナは非常に優秀で、3/3/4×2、≪石肌のバジリスク≫、≪ヘンチ・クランのゴロツキ≫など。さらに、4、5マナミニオンも質、量ともに優秀。ローグにとって、3,4,5(できれば1)ターン目にしっかりミニオンを展開することは重要であり、この点で理想的なデッキといえる。なお、今は6Dropを取りづらいため、5、3×2、4+ヒロパなどで代替できるようなら空でもよい。

ローグは2ターン目のヒーローパワーがそこそこの動きになるので、2Dropは少なくてよい。一方3ターン目には確実に動きたいので、少なくとも6枚程度、2Dropが無ければ7-9枚程度の3Dropがあると良い。 

・Bのデッキは3,4は多く、5ターン目も5は少ないながら2+3の動きができるためここまでは順調であった。ただ、Aと違って5Dropやリソース供給が少ないため息切れが早かった。それに気づいたドラフト終盤に≪逃げ足≫を取ったが、使ったターンに他の動きができず、使いやすいものではなかった。

(もちろん、Bは全体的にカードパワーが劣っていたこともある。)

・Aのデッキに3枚入っている新カード≪モッシュ・オグのアナウンサー≫は十分な能力値とメリット効果を兼ね備える強力なカード。特にアグロデッキでは殴り返しを避けられるため強い。≪冷血≫、≪菌術師≫を付けるとなお良い。

・Aで≪野生のビーストマスター≫と獣複数枚が取れたのもよかった。しかも、+2/+2強化と相性の良いヘルスが高めの獣であったのでなお良し。*2

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(補足)

除去カードを取りすぎると序盤が動きにくくなる。多くても5枚くらいが目安で、実はAのデッキは除去が多め(6枚)。その分重いカードが少なめだが、≪ブリンク・フォックス≫や≪ドラッカリのトリックスター≫が序盤の動きとリソース供給を両立する、試合が長引く前に≪昏倒≫などのとても強いカードでねじ伏せる、という力技でなんとかした。もちろん、このような優秀なカードがいつも取れるわけではないので、除去の枚数には気を付け、序盤、中盤のミニオン枚数を確保することが望ましい。

・また、除去は出し惜しみせず使う(特に手札に複数枚溜まっているとき)。他の強い動きが無ければ、3-4マナミニオンに≪昏倒≫や≪板渡らせの刑≫を撃つことも時々ある。ローグは序盤~中盤で弱い動きをしてしまうと挽回が難しいため。

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・Bのような軽いデッキでも、リーチ(≪菌術師≫や≪イカレた化学屋≫のようなアタックを増やすカード、≪腹裂き≫のようなフェイスダメージ)を取れれば手札切れの前に早期決着ができるので、軽いデッキを組みつつあるときは優先度を上げたい。

・強い1Dropを1〜3枚程度取れるとなお良い。≪アージェントの従者≫≪ファイアフライ≫≪南海の甲板員≫など。

 

 

 

 

 

 

 

  

チェック③ ハンター

新環境でパワーカードを手に入れ、一気に強化されたハンター。12勝デッキはどっち?

 

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(下をクリックする前に、どちらが12勝デッキか考えてみてください。)

  

 

 

 

 

 

 

正解、解説を読む

正解はAでした。ちなみに、Bのデッキは5勝で終わりました。

 

【解説:興味あれば読んでください】

※筆者自身が三流ハンター使いで、現環境のハンターを把握し切れていないので、推測などを含むことに注意ください。

 

デッキ構築について

・AもBも序盤のカードの枚数は悪くない。ハンターの場合、序盤から攻めたいので1Dropは2-4枚、2,3Dropはそれぞれ6枚程度欲しい。なお、3Dropは優秀なものが多ければ多少膨らんで良い。AとBでは3Dropの質で差がついている(後述)。

・また、Aのデッキは4,5Dropの質、量も良いが、Bのデッキは4Dropが確保できず、中盤に微妙な動きをすることもあった。

6マナ以上は厳選し、2,3マナに枠を割くのが良い攻めるハンターでは先のウォリアーと違い、≪怒れるエティン≫のような挑発(守りのカード)がさほどありがたくない一方で、処理されづらい≪満腹のスレッシャドン≫のような断末魔が強い。≪アマニの戦熊≫のような急襲持ちも活躍した。

→Bのデッキはレジェンド2枚が目を引くが、出たターンに仕事をせず、確定除去に弱い≪沼の王ドレッド≫と、9マナが重すぎる≪ウーンダスタ≫は両方ともさほど強くなかった。≪サバンナ・ハイメイン≫や≪ストームウインドの勇者≫の方がずっとありがたい。

 ・除去の取りすぎには注意(ただし、武器は別腹)。ハンターにとって、手札が腐ってうまく動けないのはローグ以上に致命的である。Aのデッキの除去は≪狩人の狙い≫と≪エサ付きの矢≫のみだが無事12勝できた。多くても4枚程度が良い。

 

個別カードについて

・Aのデッキは優秀な新カードに恵まれた。≪エサ付きの矢≫、≪首狩り斧≫、≪スプリングポー≫はどれも強力なクラスカード。特に≪首狩り斧≫は優秀で、武器かぶりが無ければ十中八九取ってよい。

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・Aはさらに、中立でも≪野生のビーストマスター≫、≪ドラッカリのトリックスター≫が強力。後者は相手にも手札を与えてしまうが、先に手札が切れそうになるのは大抵ハンター側なので、雄叫びの恩恵はこちら側の方が大きくメリット効果とみなせる。*3

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・Bのデッキで2枚とる羽目になった≪巨大スズメバチ≫は、ハンターでは弱い。パワーの低い猛毒ミニオンの価値は下がるし、しかも隠れ身持ちなので暇なときにフェイスを殴りづらいのが致命的。

→同じく猛毒の≪不屈のカタツムリ≫は軽く、こちらのアタッカーを守れるのもありそこそこ良いカード。≪石肌のバジリスク≫も悪くないが、同バケットの≪ファイアプルームフェニックス≫等よりかなり評価が下がる。≪キャリオン・ドレイク≫はパワー3が弱め。

・補足:Aでは≪トルヴィア番兵≫+≪野生のビーストマスター≫で≪石牙のイノシシ≫や≪スプリングポー≫を引いて+2/+2の強化が乗り、強いコンボとなった。

 

 

 

 

 

 

 

格付け結果

  • 全問正解:≪闘技場の覇者≫
  • 2問正解:≪熱狂的闘技場ファン≫
  • 1問正解:≪二流の強面≫
  • 0問正解:≪無貌の操り手≫(そっくりさん)

いかがでしたか?

率直に言って、強いデッキでも早々に負けたり、偏ったデッキでもうまくかみ合って12勝できたり、ということがアリーナではよくあります。そのため、この格付け結果は真に受けず、お正月の余興程度にとらえてください。

したがって、解説は後付け的なところもあるのですが、勝つために重要と思うことをできるだけ載せるようにはしました。

お楽しみいただけたのであれば嬉しいですし、何かしら参考になればもっと嬉しいです。また、前に一般的なドラフトガイドも書いたのでそちらも宜しければ。

 

それでは、2019年もハースストーンを楽しみましょう!

 

 

 

 

*1:ローグは11勝デッキです 新環境でまだ12勝できていないのです…

*2:例えば4ターン目に出すとしたら、4/9のほうが7/6よりいいよね、という話です。後者のパワー7は4ターン目あたりの戦闘では過剰になりがち

*3:逆に、手札が余りやすいウォリアーやウォーロックではデメリット効果となる。≪毛むくじゃらのミスティック≫等も同様。