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この新カードが面白い!②≪爆炎波≫/≪サロナイト鉱山の奴隷監督≫【闘技場・天下一ヴドゥ祭】

《天下一ヴドゥ祭》の新カードが続々と発表されていますね。今回も、闘技場視点で面白そうなカードをじっくり事前評価していきます。

この記事で考察していくのは、≪爆炎波≫と≪サロナイト鉱山の奴隷監督≫の2枚です!

 ≪爆炎波≫

評価(Heartharena基準:平均は55点くらい、75点はかなり強い≪巣作りロック鳥≫、90点以上は一握りのパワーカード≪始祖ドレイク≫)76点

 

特徴、強いところ

 

5コス2点全体除去だけでは弱いですが、1回でも血祭が使えればコスト相応だと思います。場合によってはカードを引けなくても2点全体除去を打ちたい盤面もあるでしょう。

重要な点として、血祭が発動した回数だけ呪文が引けます。使用感としては≪広がりゆく虫害≫に近いのでしょうか。≪虫害≫と違い盤面を一気に逆転するようなことはありませんが、上手くはまれば莫大な手札差をつけることができます。

極端な例として≪ヴァイオレット・ヴルム≫の断末魔や≪唐茄子≫4~5回の返しに打つことができれば、試合を決定づけるのに十分なカードアドバンテージを得られます。ミニオンを一気に処理しつつ4枚も5枚もカードを引けるのは、想像するだけで爽快ですね。

そこまでいかなくても、よく見る≪満腹のスレッシャドン≫の断末魔や≪非情の死霊術師≫に撃つだけでも、カードを2-3枚程度引きながらミニオンにダメージを与えるので5コスト相当以上の仕事ができます。刺さる盤面は珍しくないでしょう。

一般的に、全体除去は対コントロールで腐りがちですが、カードを複数調達できるこのカードは勝ち筋にすらなりうるのが魅力的です。

引けるのがメイジの呪文であるのもポイントです。呪文はミニオンに比べ即効性があり、全体除去を打った後の相手の再展開を再び凌げるカードを得られる可能性があります。特に≪フレイムストライク≫≪メテオ≫は強烈ですし、≪シューティング・スター≫なんかもいい仕事をします。

このカードの点数評価とは直接関係のない話ですが、相手はこのカードを警戒しなければならないことから、新環境のメイジはヘルス1の複数展開をためらわせることができます。特に長期戦に持ち込むプリーストにとって、相手のメイジに複数ドローを許すことは致命的であるため、先述の≪唐茄子≫の使用を強烈に牽制できそうです。

弱点

5マナ2点は力不足なところが否めません。これだけで処理できる盤面は少なく、他の防御手段も集めないと早い相手の攻めはしのぎ切れないでしょう。

また、メイジの呪文の3枚に1枚程度は弱いカードで、強カードを調達しうる一方で、弱いカードをつかまされることも覚悟すべきでしょう。

(メイジの呪文データ:HSReplay 下から1/3は割と使いどころに困る印象です)

 

総括

全体除去とドローソースを足して2で割ったようなカードです。対アグロにもコントロールにもそこそこ効く、よく言えば汎用性の高い、悪く言えば器用貧乏なカードだと思います。活躍の場はそこそこ選びますが、多少場面が合わずとも最低限の仕事はして、はまれば一気に勝ちを引き寄せられるということで、76点くらいの評価が妥当かと思います。

相手の場にミニオンが並ばないとどうしようもないので、早めのデッキでは評価が下がります。

余談

・なんとなくですが、このカードバケット高そうですね……バケット2以上に入ると他のカードに見劣りしてしまい、なかなか取る機会がないと思います。

・≪含み笑う発明家≫にもがっつり刺さるので、ナーフされたのは残念ですね。

・もちろん、このカードからこのカードを引ける可能性もあります。(文字通りオーバーキルにも見えますが)

 

《サロナイト鉱山の奴隷監督》

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評価(Heartharena基準:平均は55点くらい、75点はかなり強い≪巣作りロック鳥≫、90点以上は一握りのパワーカード≪始祖ドレイク≫)

ローグ 66点 パラディン 61点

プリースト、ウォリアー 41点

他 55点

コメント

このカードは1マナにして2マナ相当の能力を持つ反面、断末魔で相手に0/3の挑発をプレゼントしてしまいます。この挑発をどれだけスムーズに処理できるか、そして1ターン目の強い動きをどの程度必要とするかにより評価が大きく変わるため、クラスごとの予想点数に大きな差がついています。(詳細は後述)

1ターン目に出せるとかなり強力でしょう。持ち前の能力値で盤面を取ることに貢献してくれ、破壊される頃には0/3挑発を一撃で倒せるミニオンが味方にいることも珍しくなさそうです。一方で、中盤以降に引いた場合、盤面が十分に取れていないと挑発が邪魔になり、相手に都合の良いトレードをされかねません。特に、こちら側に≪ヴァイオレット・ヴルム≫のような大型ミニオン1体のみがおり、攻撃を止められたくないような場合、マナが余ろうとこのカードを出さない、というプレイングを選ばざるを得ません。そもそも、1マナは終盤に引くと弱いものなのである程度割り切る必要はありますが。

 

なんとなく強さを想像しづらいカードなので、他のカードとの比較をしつつ考えてみましょう。

vs.《ジャリッパナの騎士》

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召喚するミニオンのサイズと、雄叫び、断末魔という違いがあります。ただ、こちらの盤面が整っていればノーダメージで突破できますし、ランダム性もないので事前にプランが立てやすいです。《奴隷監督》の方がだいぶ強いと思います。

 

vs.《エサゾンビ》(※ワイルド環境)

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かつて最強クラスの1マナとして君臨していたカードで、Heartharenaの評価は75-78点くらいだったと記憶しています。初手で出しただけで試合を有利に進めることのできるカードでした。

断末魔効果に違いがあり、≪エサゾンビ≫は5点回復させるのに対し、《奴隷監督》はうまく行けばダメージを3点軽減されるだけで済みます。

しかし、《エサゾンビ》は相手の体力が満タンに近ければデメリットはほぼなく、しかも《奴隷監督》と違ってトレードの邪魔にならない点で優れています。特に後者はミニオンのトレードが重要な闘技場で大きな意味を持ちます。この点で《奴隷監督》は《エサゾンビ》に比べると大きく劣り、良くても70点いかないくらいのカードかと思います。*1

 

vs.《ヒルドニル・フロストライダール》

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スタッツが高い代わりに自陣の攻撃を阻害するカード、という点で似ています。ただヒルドニルはこちらの盤面が空だとデメリットなしなのに対し、《奴隷監督》はしっかりデメリットが残ります。特に、遅いデッキでの使用感はだいぶ違ってきそうです。

 

総じて、初手に出せればかなり強いけど、終盤に引いたときの足手まとい感は否めず、使うヒーロー、デッキがどれだけ序盤を重視するかによって評価が大きく変わります。

 

ヒーローごとの評価

ローグ、パラディンは強い1マナが欲しく、また盤面を取りやすい(すなわち、挑発をすぐに片付けやすい)ので評価は高いです。特に、ローグは2ターン目のヒーローパワーと合わせて相手の2/3を効率よく処理できたりして、序盤の主導権を握る強い動きになりそうです。

逆に、盤面を取られやすいプリーストやウォリアーでは、挑発のせいで殴り返しが遅れるためお荷物になりそうです。そもそも彼らはそんなに1マナが欲しくないので評価は決して高くありません。

ハンターは強い1マナがほしいですが、終盤に引くとフェイスを詰める上で特に邪魔になることを考え特別評価を上げることはしていません。

 

その他

・公開元のファミ通も紹介していた通り、《精神支配技士》《ヴォイド・リッパー》との相性は良いです。

・≪鏡の住民≫をうまく踏めたりすると気持ちよさそう。≪爆発のルーン≫でもこちらは1マナ消費なので許せますが、挑発の処理方法はあらかじめ考えた方がいいですね。

・召喚する挑発の名前はなんと《FA宣言選手》。相変わらず粋なネーミングですね。登場時等のボイスも楽しみです。

 

終わりに

まだ50/135枚しか公表されてませんが、ここで書いた他にも≪ダフ屋≫や≪アイアンハイド・ダイアホーン≫なんかは面白そう、かつ評価が割れそうなカードで、じっくり考えてみたいです。前者は66点、後者は70点(Heartharena基準)くらいで見ていますが、果たしてどんなものでしょうか。

 

環境の全体像として、「血祭」が自分のターンのみ発動すること、場にいる限り効力を発揮するミニオンが多めなことから、盤面を取れるよう軽めにデッキを組むのが良さそうに見えます。(ただ、すでに全体除去が2枚登場し、ここからさらに増えるとなればコボルトやガジェッツァンのような守りの環境になることも考えられます。)

 

当初の想定以上に面白そうなカードが多く、29日の公式配信前後にでもまた考察してみたいと思っています。それでは!

前の事前評価≪カエルの雨≫

 


追記:楽しそうなこのカードも事前考察。こいつは強そうだ。


 

*1:そもそも、昔≪エサゾンビ≫が強かった一因として、以前は呪文が出にくかったりして巻き返しの手段が少なかったため、序盤の動きが今より重要だったということもあります。そのため、今≪エサゾンビ≫が出てきたとしても昔ほどは強くないんじゃないか……という老人の昔話でした