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ハースストーンの闘技場・バトルグラウンドを勝ち抜く戦略

クラス別 闘技場ドラフトアドバイス【博士のメカメカ大作戦】

前の記事では、闘技場のドラフトで意識するべき点として、①カードパワー ②カードの組み合わせ(シナジー) ③早い相手/遅い相手への勝ち筋 を紹介しました。

この記事では現環境の主要5クラスについてドラフトの大まかな方針を示し、各クラスで狙いやすいシナジーや、早い相手・遅い相手への主要な勝ち筋を解説していきたいと思います。

 

 

 

ウォーロック

  • 早い相手への勝ち筋:序盤のミニオン、全体除去、回復、挑発
  • 遅い相手への勝ち筋:リソース供給(ヒーローパワー)、Win moreカード*1
  • 意識したいシナジー:横並べ、呪文ダメージ+、自傷アメジストの呪文石)

どんなヒーロー?

現環境の最強ヒーローと思われます。

ヒーローパワーのおかげで体力さえあればカードを引けるので、遅い相手に対してはかなり強いです。そのため、ドラフトの最優先事項は早い相手に押し負けないデッキを作ることです。

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幸いクラスカードには優秀な挑発や全体除去が揃っています。序盤のミニオンとともに、これらを集めていくことで早い相手に対して隙のないデッキになります。一方で重いカードの優先度は下げてよいでしょう(特に、挑発でもなく、出たターンに仕事をするわけでもないカードの評価は下がります)。

ドラフトで軽いミニオンを確保できれば、ミニオンが横に並ぶ機会も増えます。遅い相手に対しては、≪ストームウィンドの勇者≫≪菌術師≫などのWin Moreカード、特に複数強化系のものが勝ち筋になるでしょう。また、新カードの≪オメガ・エージェント≫は10ターン目以降の強烈な動きであり、特に遅い相手への勝ち筋になります。バケットも低いので、出てきたらほぼ取って良いと思います。

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特に評価が上がる中立カード

・挑発、回復 先述の通り。

・軽いミニオン その中でも、≪グレイシャル・シャード≫、≪エルフの射手≫など、序盤だけでなく終盤にも一仕事できるようなカードは評価が高いです。

・呪文ダメージ+ ≪生の苦悩≫や≪シャドウボルト≫のような軽量除去、≪影の炎≫のような全体除去がクラスカードに揃っているので、デッキによっては強力です。

 

ローグ

  • 早い相手への勝ち筋:序盤のミニオン、コストパフォーマンスの良い除去
  • 遅い相手への勝ち筋:フェイスダメージ、Win Moreカード、(リソース供給)
  • 意識したいシナジー:武器、(断末魔)

※()書きは主流の手段ではないが、たまに狙える、くらいの意味で使ってます

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どんなヒーロー?

ウォーロックに次いで強いヒーローと考えています。

コストパフォーマンスの良いヒーローパワーと除去のおかげで序盤~中盤戦に強いクラスです。一方で、武器でミニオンと戦闘する度にダメージを負うこと、クラスカードに終盤向きのカードが少ないことから長期戦は不得意で、短期決戦を目指すことになります。

固有カードに挑発や回復はなく*2、全体除去も少ないので、早い相手へ勝てるように序盤のミニオンと優秀な単体除去を揃えていくことになります。

これらの手段により、遅い相手との序盤戦も有利に進められるでしょう。優位を取った後、中立のWin moreカードや≪冷血≫、≪腹裂き≫、≪イカれた科学者≫のようなヒーローへのダメージ手段で、相手が本領を発揮する前に勝負を決めるのが勝ち筋です。一部、≪エルフの吟遊楽人≫≪ブリンク・フォックス≫のようなコストパフォーマンスに優れたリソース供給手段があり、これらも遅い相手への勝ち筋となります。

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もちろん、≪ヴァイオレット・ヴルム≫や≪満腹のスレッシャドン≫のような中立の重いミニオンも遅い相手への勝ち筋になりえます。これらは優勢時には強い代わり、劣勢時に出しても無視されてフェイスを殴り切られるようなカードですが、ローグは序盤~中盤の動きが強いため、これらのカードが活躍する土台を整えやすいです。

特に評価が上がる中立カード

・優秀な1,3,4マナミニオン 序盤戦が重要です。2マナミニオンをさほど重要視しないのは、ヒーローパワーが2ターン目の動きになるからです。1マナミニオンは、≪誘拐魔≫のような重めのコンボカードの起動にもなります。

・≪ヘンチ・クランのゴロツキ≫ 構築でも猛威を振るうカード。闘技場だと強すぎます。

 

ドルイド

  • 早い相手への勝ち筋:序盤のミニオン、全体除去や≪広がりゆく虫害≫
  • 遅い相手への勝ち筋:全体強化、リソース補給
  • 意識したいシナジー横並べ(特に強力!)

どんなヒーロー?

 前の2クラスと違い、幅広い種類のカードがあり、様々な勝ち筋を取れるヒーローです。だからこそ、ドラフト中は自分のデッキがどのような方向に向かっており、どんなカードが必要なのか考えることが特に重要なヒーローです。

ドルイドのドラフトには、テンポタイプ、コントロールタイプという二つの方向性があります(一応、中間的なデッキも組めなくはありません)。どちらを選ぶかにより、早い相手、遅い相手に対する勝ち筋が異なります。

テンポタイプでは序盤の強い動きを揃え、早い相手には序盤の展開と除去で勝ち、遅い相手には序盤で並べたミニオンを全体強化して押し切るようなデッキが考えられます。今の環境のドルイドは横並べと全体強化両方の出現率が高く、有力な勝ち筋の1つとなっています*3早いデッキを組めそうな場合は≪トーレンの森林管理官≫≪非情な死霊術師≫のような横並べカードと、≪獰猛な咆哮≫≪野生の力≫のような全体強化の優先度を高めましょう。

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横並べカードでありながら、全体強化も選択できる優れもの。全体強化を勝ち筋とするデッキでは便利な1枚。

序盤の強い動きが揃いそうにない場合、コントロールタイプの道があります。早い相手への勝ち筋は≪なぎ払い≫≪星の雨≫のような全体除去や、≪広がりゆく虫害≫のような不利に強いカード、大型挑発になるでしょう。ただ、コントロールタイプは相手の序盤の展開→全体強化などの強いムーブを許しやすいことから、型としての強さはテンポタイプに劣り、あくまで序盤の動きが集まりそうにないときの次善の策となります。なお、このようなデッキでは複数強化カードの優先度はそれほど高くありません。

こちら側がどんなデッキでも、遅い相手への勝ち筋としてリソース供給は選択肢となります。≪トートランの採食師≫≪星の炎≫は長期戦で頼れるカードです。また、≪究極の侵蝕≫は1枚で遅い相手に勝てるようになる非常に強力なカードです。このカードが取れた場合、残りのドラフトでは早い相手への勝ち筋の優先度を高めるとバランスの取れたデッキになります。

 

ウォリアー

  • 早い相手への勝ち筋:全体除去等の不利に強いカード、挑発、(ヒーローパワー)
  • 遅い相手への勝ち筋:リソース補給、重いカード
  • 意識したいシナジー:武器(ただし枚数に注意)

どんなヒーロー?

これまでの3クラスでは早めのデッキをお勧めしてきましたが、このヒーローは少し毛色が違います。

今回の「博士のメカメカ大作戦」とその前の「妖の森ウィッチウッド」で、ウォリアーは劣勢時に強いボードコントロール手段を手にしました。

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いずれもHearthArenaのTierリストで85点を超える、非常に優秀なカードです。

これらのカードや挑発のような防御手段が取れれば、1,2マナミニオンをあまり取らなくても早い相手の攻めを凌ぐことができます。ただ、構築のウォリコンのような極端なボードコントロール性能はないので、3マナ以降はそれなりに取ることをお勧めします。

遅い相手への対策が足りないと感じた場合、大型ミニオンのほかには≪オメガ・アセンブリ≫のようなリソース供給手段、あるいはライフさえあれば膨大なアドバンテージを稼ぐ≪ゴアハウル≫を取るといいでしょう。

武器が強力なクラスですが、取りすぎると動きづらくなります。多くとも5本、特に長く握るであろう≪ゴアハウル≫や≪スーパーコライダー≫が取れている場合は4本以下に抑えると安定します。

メイジ

  • 早い相手への勝ち筋:序盤の強い動き、単体除去、全体除去
  • 遅い相手への勝ち筋:Win moreカード、フェイスダメージ、リソース補給
  • 意識したいシナジー:エレメンタル、秘策、呪文ダメージ+、(凍結、デッキ外ドロー、重呪文)

どんなヒーロー?

ドルイドと同じく、戦略の幅が広いクラスです。デッキの方向性、シナジーの有無を意識した緻密なドラフトが求められます。

やはり、早めのテンポタイプ、遅めのコントロールタイプが考えられます(中間的なタイプも組むことができます)。さらには、秘策、エレメンタル、呪文ダメージのような複数のシナジー要素があり、同じ3択でもデッキによって最適な選択肢は大きく変わってきます。1枚1枚の選択が大変ですが、ドラフトの奥深さを体感できるクラスです。

テンポタイプは序盤の展開を行うところはドルイドと共通していますが、遅い相手への勝ち筋として≪ファイアーボール≫≪パイロブラスト≫のようなヒーローへのダメーを持っているところが特徴的です。コントロールタイプでは、早い相手の攻めを≪フレイムストライク≫≪ブリザード≫のような全体除去でしのいでいくことになります。

テンポタイプでもコントロールタイプでも、遅い相手に対する勝ち筋として、≪亡霊の書≫によるドロー、≪梵火のエレメンタル≫≪カリモスの下僕≫≪魔法学者≫のようなエレメンタル・秘策シナジーのリソース供給があります。

コントロールタイプでは、デッキに重い呪文が集まっていれば≪ドラゴンの憤怒≫≪魔法のワタリガラス≫は有力なカードになります。しかし、その後のドラフトで軽い呪文を取りづらくなることにご注意ください。

新カードでは≪シューティング・スター≫がバケットの割に強力です。単体でもそこそこ使えますが、≪タスカーの漁師≫≪宇宙異常体≫のような呪文ダメージ+が取れていると特に強く、ドラフト時はこのシナジーを頭に入れておきましょう。

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以前DEKKIさんにガイドを寄稿したので、そちらも参考にしてください。ガイドは前環境のものですが、今の環境でも根本的な変化は無く十分通用します。

 

以上が主要5ヒーローのドラフト戦略です。

残りの4ヒーローは今だとさほど強くない(プリースト、シャーマンはもしかしたらメイジより強いかもしれません)ので、まずはこの5ヒーローをうまく使えるようにするのが上達の早道でしょう。前の記事と合わせて参考にしていただければ。

 

次は何を書くか……どうやらしばらくナーフされないらしい≪含み笑う発明家≫に関するものか、10月中旬からのデュアルクラス闘技場の環境予想を書きたいと思っています。ただ、そんなにすぐには投稿しないと思いますので、気長にお待ちください。

*1:≪菌術師≫、≪コバルト・スケイルベイン≫のような優勢時に特に強いカード。

*2:一応≪吸血毒≫がありますが、取ることはないでしょう

*3:たとえば、≪獰猛な咆哮≫はドラフト1回につき1.5枚、≪野生の力≫は1.4枚と高い頻度で出現します。